暁 〜小説投稿サイト〜
MOONDREAMER:第二章〜
第四章 ダークサイドオブ嫦娥
第6話 金属対決・別章:前編
[6/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
のだった。
「剣を発射するって訳ですね」
 その使用方法に驚くものの、勇美は既に心の準備は出来ていたのだった。敵が金属を使って来るならば、こちらのやる事は一つなのであった。
 ここで勇美は、この場に相応しいある神へと呼び掛けるのだった。
「『金山彦命』よ、お願いします」
 そう言って勇美はその金属の神の力を自身の分身マックスへと備え付けていった。
 すると、マックスのその鋼の体が、より金属感のある光沢を放ちながら飛んでくる敵の攻撃に対して身構えるのだった。そして、勇美はこう言ってのける。
「あのうるさいトンボを撃ち落としなさい」
「トンボ!?」
 その勇美の例えには、クガネは呆気に取られるしかなかったのであった。何せ、余りにも突拍子がなかったからである。
「……私も人のセンスには余りとやかくは言いませんけど、もう少ししっくりくる表現はなかったのですか?」
「え、駄目ですか? 依姫さんの真似をしてみたんですが……」
「いえ、依姫さんはあなたに真似られる事は望んでないと思いますよ」
「あ、それもそうだね♪」
 クガネに言われて勇美はそこで心得たといった気持ちになるのだった。それは正に彼女が指摘した通りであったからだ。
 依姫は自分のやり方を真似られるのではなく、その人らしくする事を望んでいるのだ。その事を勇美は再認識するのであった。
 その事を胸に勇美は言い直す。
「目の前の太くて固いモノを使い物にならないようにして下さい! 【金解「メタルスプラッシャー」】!」
 そう宣言した勇美はマックスを向かって来た銅の剣の前に差し出した。そして、マックスはその両手をはんだ小手のように変型させて目の前に突き出したのである。
 するとどうだろうか。その小手に触れた銅の剣は瞬く間に砂のように分解されてしまったのだった。
 それを見ていたクガネは、悔しがる様子もなく、ただただ感心したかのように振る舞っていた。
「見事ですね。あなたも依姫さんを見て『金山彦命』の力を使いこなしているのですね」
「ええ、伊達にあれを見てきてはいませんからね♪」
 クガネにそう言われて、勇美も得意気になるのだった。師から学んだ事をここで活かせているのを実感出来て、実に充実した気持ちである。
 そんな勇美の様子を、クガネは満足気に見ていた。自分も依姫の事を尊敬する身である為、彼女から得たものを活かしている勇美を見るのは気分が良かったのだ。
 だが、それはそれ。ここでクガネは言っておかなければならないと思う事があるのだった。
「しかし勇美さん。先程の台詞は些かお下品ではありませんか?」
 それが問題であった。仮にも勇美は淑女なのである。だというのに先程の表現は捨ておく事は出来ないのだ。
 だが、勇美には別段悪びれた様子もなかったのである。否、今のクガネ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ