第四章 ダークサイドオブ嫦娥
第6話 金属対決・別章:前編
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前に漢字を用いたのである。
そう、その事は今勇美が戦おうとしている場は紛れも無く『月』である事実を物語っているのだった。
その事を勇美はここに来てどことなく肌で感じているのだった。だが、今になって引くなんて事は出来ないだろう。
なので、勇美は意を決してクガネに向き合うのだった。
「後は……何をするか決まっていますよね」
「話が早くていいわね」
そう両者は言い合うと、にこりと微笑み合った後、互いに距離を取り合うのだった。こうして二人は臨戦状態に入ったという事であった。
◇ ◇ ◇
(まずは、敵──クガネさんの能力を見極めないとね……)
それが、勇美のすべき当面の指標であった。何はなくとも、敵がどのような能力を持って出てくるかを見定めなければ不利というものなのだから。
今まで幻想郷では、概ね戦う相手の能力は知れ渡っていたのだ。しかし、彼女とは初対面であるが故に当然今はそのような状況ではないという事なのである。
だが、次にクガネが取ったのは思わぬ事であった。
「あなたは、恐らく私の能力が何であるか探ろうとしているのでしょう?」
「!?」
この発言には、勇美は意表を突かれてしまったようだ。何せ図星を見事に射抜かれてしまったのだから。
「驚きましたか? 敵である私がこういう事を言うなんて?」
「ええ、正直……」
勇美の方も、その今の想いを正直に打ち明ける事であったのだ。
何故なら、先の月の異変解決に当たっては、自分の能力を打ち明けた上で戦う人は誰もいなかったのだから。
そして、クガネは自身の言葉を続ける。
「私も依姫さんの事は尊敬に値すると思っていますからね。出来る限りで彼女に倣いたいと思っている所です」
「あなたもですか?」
そのクガネの考えを聞いて勇美は驚くのだった。彼女は嫦娥の管轄の筈なのに、こうして依姫に対して敬意を示しているというのだから。
そこへ疑問を持った勇美は、彼女にこう質問した。
「では、何でクガネさんは嫦娥って人の管轄にいるのですか?」
「それは、私達にも色々事情があるって事よ。出来れば私も依姫さんの所につきたいと思ってはいるのですけどね……」
そう言うとクガネは切なげに溜息を吐くのであった。
「何か、あなた方も大変みたいですね……」
「ええ、分かってもらえるとありがたいです」
二人はそう言い合うと、ここで気持ちを切り替えて再び向き合うのだった。
「まずは、話を私の能力に戻しましょう。私の能力は『金属を操る』ものよ」
「金属……ですか」
そう勇美は返しながら、ここで『これはしめた!』と思うのだった。
何故なら、勇美は金属を操る力は良く見知ったものであったからである。
まず、彼女の読書仲間となり、時たま弾幕ごっこをし合う仲間となったパチ
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