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MOONDREAMER:第二章〜
第四章 ダークサイドオブ嫦娥
第5話 三日月の塔 SIDE:I 後編
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に遅しだったのであった。
「ぎゃっ……!」
 そう言って少年風は突然叫び声をあげたかと思うと、その場で倒れてしまったのである。
 一体何が起こったのか? その答えは、その玉兎と勇美の後ろに顔を出していたのだった。その者の名前を勇美は口にする。
「よくやったよマッくん♪ 大手柄だよ」
 そう、この場でマックスは先程のヒドゥンの力を使い、玉兎の背後に気付かれずに忍び寄って奇襲を仕掛けたという事なのであった。
 そう、勝負は玉兎と勇美が対峙する前から始まっていたのだった。
「ひ、卑怯な……ガクッ」
 そう言うと、玉兎は敢え無く気を失ってしまったのである。そして、その玉兎を視界に収めながら勇美は今は意識を手放してしまった彼女に語るかのように、はたまた独りごちるかのように呟いた。
「うん、私も卑怯だと思う。けど、こっちも必死なんだから大目に見てね♪」
 そう言って勇美はチロリと舌を出して茶目っ気を出して見せるのだった。どうやら、彼女は『悪』っぷりに箔が付いているようであった。
「ごめんね、これが今の私のやり方だからね。でも、もしあなたが許してくれるなら、今度時間がある時に一対一で弾幕ごっこをして欲しいな♪」
 言って勇美はペコリとその玉兎に頭を垂れるのであった。
「後は、歯車を探すだけだね」
 そして勇美は部屋のある一点に視線を向けた。もう、彼女には『探す』という手間は必要ないのであった。
 勇美はその一点、部屋の絨毯の端の方へと歩み寄ると、そこの絨毯を少し剥がす動作をしたのだった。
 すると、どうだろうか? その絨毯の下には小さな蓋が存在したのだ。
 もう、勇美のする事は決まっているだろう。事前にマックスとヒドゥンの力で罠もない事は調査済みであるから、最早迷いは必要ないというものだ。
 勇美は満を持してその蓋を開けたのであった。
「ビンゴっ♪」
 そう言う勇美の視界には、見事にお目当ての歯車が入ったのであった。迷う事なく、勇美はそれを手にする。
「よし、お目当てのモノ、ゲットだぜ! なんてね。後はエレベーターに向かうだけっと」
 そう言って勇美は、先程のエレベーターへと舞い戻っていくのであった。その先には一体何が待つのか?
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