第四章 ダークサイドオブ嫦娥
第5話 三日月の塔 SIDE:I 後編
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た。依姫から買って貰った事、霖之助とも親しくなる事が出来た切欠でもある、とても大切な服である。
そして、その短い裾から覗くのは、まだ成熟期ながらも、スラリとした可愛らしく綺麗な脚線である。
それに対しても勇美は、些かナルシスト染みているとは思いつつも自ら見惚れてしまうのだった。
心なしか、弾幕ごっこで、そして先の月への旅により、その足は鍛えられ、その造りは逞しくなっているかのようである。月で訓練を受けた鈴仙程のものではないにしろ、自分のそれも中々の上玉に成長しているなと、勇美は酔いしれていた。
我ながら惚れ惚れすると勇美は思うのであった。
だが、メインディッシュはそこではない。その脚の付け根にある部分である。
「ゴクッ……」
そう思うと、勇美は固唾を飲まずにはいられなかったのだ。そして、彼女は禁断の領域に手を伸ばし、そこを覆うなけなしの薄布の防壁を取り除ける……。
に至る事は出来なかったのである。何故なら今正に一仕事終えたマックスが彼女の傍らへと戻って来たからであった。
「あっ、マッくん。おかえりなさぁい……」
そう言って勇美は気まずさを感じてしまった。
確かにマックスは勇美の分身であるが故に、勇美のしようとしていた事に対して何も思う事はないのである。
だが、勇美とて年頃の少女である。自分が『行為』に及ぼうとしていた所に誰かが来るというのは、やはり気恥ずかしいものがあるのであった。
しかし、やはり自分の分身なのである。だから勇美は別段気にする事もなく、役割を果たして戻って来た彼を労ったのだ。
「マッくん、よくやったよ。偉いね♪」
そう言って勇美は彼の頭を撫でてあげると、彼は嬉しそうに振る舞うのであった。
そして、任務を果たした彼から、勇美の脳内に情報が送り込まれる。
「うん、分かった。歯車はそこにあるんだね?」
マックスから送られて来た情報を脳内で吟味しながら勇美は言うのであった。
そして、準備万端となった勇美はエレベーターの部屋から出ると、頭の中で目的の場所を再確認し、そこを目指して歩を進めて行った。
加えて、彼女はマックスからは見張りの玉兎がいないルートも受け取っていたのだ。故に彼女はそのルートを辿り、幸いにも誰にも出くわさずに進む事が出来たのである。
そして、勇美は遂に目的の部屋の前まで辿り着いていたのだった。
そこは、塔内の他のどの部屋と比べても何の変哲もない場所であったのだ。マックスの調査がなければ選ばれはしなかっただろう所である。
そこに歯車を隠す算段を勇美は良策だと思うのだった。大切な物を別段目立たない場所に隠すのは、敵の目を欺くにはもってこいだからである。
成る程、敵としても既に勝負は始まっているという考えなのだろう。そう思うと勇美の方としても楽しくなって
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