第四章 ダークサイドオブ嫦娥
第4話 三日月の塔 SIDE:I 前編
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そして、ヘカーティア自身も勇美達との関わりを経て、今こうして彼女らに協力しようとしているのだ。この事は興味深くて仕方のない事なのであった。
だから、彼女は甘んじてそのシステムに取り込まれる事に決めたのである。その方が自分にも、周りにもプラスになると考えたからというものだ。
こうしてヘカーティアの心情もここに固まっていたのである。
そして、後は勇美であるが、彼女は一つ確かめたい事があるのだった。その事を依姫に聞く。
「ところで、依姫さん?」
「何かしら?」
「あの、玉兎さん達は……『弾幕ごっこ』に乗っ取って行動してくれているのでしょうか?」
その質問を聞いて依姫は合点がいく所であった。その事は勇美が一番重要視するのを、自分の元に長く置いていた依姫はよく分かる所なのであった。
そして、勇美にとっての最重要事項に関して、依姫は言及していく。
「ええ、バッチリ。弾幕ごっこの元に行動してくれているわ」
◇ ◇ ◇
その依姫の言葉を思い出しながら、勇美は改めて決意を固めるのだった。
玉兎達は月の制圧という物騒な事をしつつも、ちゃんと弾幕ごっこのルールの下に動いてくれている。その事が分かっただけで勇美にとっては収穫なのであった。
そして、勇美にはもう躊躇いは存在しなかった。それを最後までしてくれるだけで、皆分かり合える機会となる弾幕ごっこ。こうなれば、勇美も最後まで付き合う算段なのだ。
「よし、じゃあ行くとしますか♪」
そう言って勇美は早速行動を開始し始めたのであった。
◇ ◇ ◇
三日月の塔。そこが今勇美がいる建造物の中である。そして、その中も月の施設らしく実に神秘的なのであった。
まず、内装は床は大理石のタイルが敷き詰められていて、どこかの高級ホテルを彷彿とさせる贅沢な一品である。
そして、壁は光量を抑える霊力でも籠められているかのような、派手さが抑制された金で出来ていた。
壁に金。そのような内装をお目に掛ける事を多くの人が夢想した事かも知れないだろう。
続いて、壁にはこれまた霊力で作り出しただろう、光の塊が所々に存在していたのだった。どうやら、これが照明の役目を果たしているようである。
その光景を見て、勇美は案の定呆けてしまったようだ。
「ほへぇ〜……」
勇美の声は緩みきり、表情は見事に崩れてしまっていたのである。
無理もないだろう。目の前の光景は決して外界ではお目に掛かれるような代物ではないし、第一こういう神掛かった光景を勇美は大好物なのであるから。
だが勇美はここで思い直す事にしたのだった。
「うん、いかんいかん。私とした事が」
そう自分に言い聞かせて、自らを鼓舞したのである。
そうなのである。確かにこの塔の様相は目を引くものがあるが、いつまでもそれ
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