第四章 ダークサイドオブ嫦娥
第3話 月での合流
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の能力……」
これまた小説家を目指す自分にあったらいいなと思う能力であった。これさえあれば取材の為に各地に出向くのが一瞬なので、その事で浮いた時間を執筆に回せるだろうというものなのである。
だが、今はそのようなIFの話を妄想している場合ではない。また何やら月では厄介な異変が起こっているようなのだから。
勇美は月の住人ではないのだから、別に月の問題を解決に向かう義理はないのである。
だが、彼女は自分の世界を変えてくれた依姫を始めとして、月の住人の一部の者達とは最早家族同然なのだ。だから、その恩に報いる為に今回の異変に協力したいと思う所存なのであった。
「それじゃあ、準備が出来次第私が月に送って行くからね♪」
そう言って豊姫は指を立てて茶目っ気を出してみせるのだった。
準備。前回の異変では数日掛かる旅であった為に食べ物等を色々用意していたものだ。だが、今回は一瞬で月へ行けるのだ。特に準備は必要ないかも知れない。
だが、この豊姫の気遣いにあやかって悪ノリする者はいたのだった。
「準備ですか。それじゃあ私はパンツを脱いできますね♪」
「寧ろ減らしてどうする!?」
そこに鈴仙がすかさずツッコミを入れたのであった。それはもう、一緒に月への旅に同行した際に散々鍛えられたスキルなのだった。
「え? だって今回は旅ではないんですよ。なら身軽な方がいいじゃないですか?」
「身軽すぎるわ! 肝心な物身に付けないでどうする!?」
理不尽な主張をする勇美に対して、鈴仙はキレッキレのツッコミを炸裂させる。やはり前回の異変でそれは鍛えあげられたようだ。
その様子を見ていたヘカーティアはそこに便乗するのであった。だが、それはいらなかったかも知れない。
「確かに勇美の言う事は一理あるな。それじゃあ私は『地球』と『月』も脱ぐとしますか?」
「お前は寧ろ穿け」
そういや基本体の異界の体は会議のどさくさに紛れてノーパンのままだったかと、鈴仙は頭を抱えるのだった。
「と、いう訳で豊姫様。ヘカーティアの異界の体に穿かせたら出発します」
「真面目ねえ鈴仙は♪」
「いえ、倫理的に見て基本的な事ですって」
鈴仙は首を横に振った。そういえばこの人も勇美のリクエストで着た白のノースリーブワンピースにケープという趣味全開な格好を継続しているしと思った。
そして、気付けばこの場にはツッコミ役は私一人になってしまったとも痛感するのだった。依姫様もこんな苦悩を味わっていたのだなと改めて心に感じるのであった。
その後、ヘカーティアの異界の体に抜かりなくパンツを穿かせたのを確認した鈴仙は、これで準備は整ったと豊姫に伝える。そして、いよいよ出発の時が来たかと豊姫は頷くのであった。
だが、その前に一つ豊姫は鈴仙に言っておきたい事があったのだ。
「
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