第四章 ダークサイドオブ嫦娥
第2話 新たな野望
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やや非日常的な内容も含有するものの、至って極めて日常的な修行を終えて一息つこうとしていた勇美達の前に、その慌ただしい声が聞こえてくるのだった。
「ちょっと、勇美ちゃん達。大変よ!」
そう言いながら勇美達の元へとやってきたのは、永遠亭の知恵袋たる八意永琳であった。そして、彼女は息を切らせならがも何事もなく勇美達の前で歩を止めたのである。
そう、何事もなく……である。その事に納得が出来ないのは勇美であった。
「八意先生……?」
言いながら勇美はギロリと永琳を恨みがましく睨みつけていた。
「? どうしたのかしら勇美ちゃん?」
この勇美の振る舞いに対して、永琳は先程まで慌てていた事を感じさせない程に落ち着き払いながら聞き返す。
「どうしたもこうしたもありませんよ!? 折角ヘカーティア様は今ノーパンだっていうのに八意先生はそう何事もなくこの場に辿り着くなんて!?」
「成る程、勇美ちゃんは『ラッキースケベ』を望んだのね?」
曰く、それは意図せずに青少年によろしくない『オイシイ』アクシデントが起こってしまう事である。つまり、勇美は例えば慌てて駆けつけてき永琳とヘカーティアがぶつかる事で転び、その後は……という内容を切望した訳なのだった。
その意見にはヘカーティアも同意する所存なのであった。同意してしまっていたのである。
「確かに、勇美の言う通り、ファンサービスってものは大切にしないといけないな」
「でしょう、これだとトーマス・バークライト的な意味でのファンサービスですよ、ぷんぷん!」
即ち、それは相手に希望を持たせた上で、それを裏切り絶望のどん底に叩き落とすという意味でのファンサービスである。それが今計らずとも起こってしまったのである。
「なので、ヘカーティア様。こうなったら代わりにあなたが自らの手でスカートを……」
そうヒートアップしながら熱弁する勇美を尻目に見ながら、純狐とメディスンはアイコンタクトの後に頷き合ったのである。そして、同時に二人は勇美の元へと向かっていったのだった。
「「はい、いい加減にしようね!」」
二人は言うや否や、見事な連携で勇美にラリアットをお見舞いしたのである。
「ぐぐぇっ……」
勇美はそう痛ましい呻き声を出しながら、したたかに地面に体を打ち付けてしまったのだった。
そして、涙目になりながら起き上がり、二人に抗議する。
「ううっ、二人とも何をするの〜……」
「じゃがしい。勇美が変態願望まっしぐらなのがいけない!」
「そういう事。そんな事したらファンサービスの範疇を越えて単なるネチョになりますからね」
「そうだぞ、勇美。私が自らめくり上げたらラッキースケベにはならないぞ」
どうやら勇美へのツッコミをする者達の中に、異物が混じってしまったようだ。純狐とメディスンは一斉にそ
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