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MOONDREAMER:第二章〜
第四章 ダークサイドオブ嫦娥
第2話 新たな野望
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の異物へと視線を向けた。
「そもそも元凶はあなたでしょう、ヘカーティア!?」
「そうだそうだ!」
 そう二人は赤髪の変態スパイへと抗議の言葉を浴びせたのであった。だが、ヘカーティアとてここで引きはしなかったのだ。
「何を言うか! これは勇美のリクエストだぞ! 勇美の気持ちを無駄にする気か!?」
「そんなふしだらな熱血思考はいらないわよ。……勇美さんの方にも後で話がありますけどね」
 そう言うと純狐はにっこりと凍り付くような笑みを浮かべ、それに勇美は戦慄してしまうのだった。さすがは憤怒の神の笑顔は畏怖の権化だったのである。
 こうして話が逸れてしまっているが、ここで軌道は元に戻っていくのだった。暫しこのやり取りを傍観していた永琳が「おほん」と咳払いをして皆の注意を促していた。
 それと同時に今度はヘカーティアに対しては意図的にアクシデントを起こすように心掛けようかとも思うのだった。自分と彼女は旧友の間柄だからそれもある程度は許されるだろうと自身の心の中で結論を出すのだった。
「あ、八意先生ごめんなさい。ちょっと大切な事なので取り込んでいました」
「大切な事かはさておき……。これから私の話を聞いてくれますね?」
「ええ、八意先生が自ら出向いた程ですもの。余程の事なのですよね」
「ええ」
 その勇美の洞察力に永琳は感心するのだった。
 そう、勇美の察した通り、本来ならば彼女達の元へは弟子である鈴仙を向かわせるのが筋だからである。それが師匠としての威厳を持たせる行為だからだ。
 だから、今回永琳自らが出向いたのは異常事態なのであった。それだけ今回の『異変』は急を要する内容なのである。
「では、これから会議室に来てくれますか? 鈴仙と姫も既にそこにいますから」
「分かりました」
 この永琳の要請に勇美は快く応えるのだった。最早勇美にとって永遠亭は我が家なのだ。だから、『家族』が困った時には力を合わせるのは当然だと思っての事であった。
「私も行こう」
 そして、ヘカーティアも永琳の要請に応えるのだった。旧友が困った時には力を貸すのが筋だという考えの元にである。
「ありがとう、ヘカーティア。あなたがいてくれれば心強いわ」

◇ ◇ ◇

 そして、勇美とヘカーティアは会議室へと赴いていたのだった。ちなみに純狐とメディスンには巻き込んでは悪いとお引き取りを願っておき、彼女達はそれぞれの住処へと帰っていたのである。
 そして、この場にいるのは永琳、輝夜、鈴仙、そして新たに呼び出された勇美とヘカーティアであった。
 皆が集まった事を確認した永琳は、ここで彼女等に声を掛けていく。
「では、皆さん集まりましたね」
 その問いかけに皆は一様に声を返していった。それに続いて、勇美は質問をするのだった。
「それで八意先生、その異
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