第四章 ダークサイドオブ嫦娥
第1話 新たな修行風景
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黒銀勇美と鈴仙・優曇華院・イナバの二人の活躍により、幻想郷浄土化の異変を解決された。そして、今はそれから三ヶ月の時が経っていたのだった。
勇美は今日もヘカーティア・ラピスラズリに稽古を付けてもらっていたのである。
彼女こそ浄土化の大元の原因となった存在の一人であるのだが、事後に勇美は彼女と友好関係になり、その後もこうしてヘカーティアから修行を指南を享受出来る事となっていたのだ。
「【星蒔「クェーサースプラッシュ」】」
勇美のスペル宣言により、星と金属の神の力を備えた機関銃から、一斉に壊れた蛇口の如く星の弾丸が大量にばら蒔かれていき、それらはヘカーティアに向かって飛んでいったのであった。
「くぅっ……!」
「っ……!」
否、些か説明不足であったようである。勇美が弾丸を向けたのは、ヘカーティア『達』であったからである。
そう、ヘカーティアの能力は三つの体を持ち、それらを自在に操る事なのである。その能力を巧みに使用し、勇美に対して『一対二』という変則的な弾幕ごっこをヘカーティアという存在一つで行う事が出来ていたのだった。
勿論、ヘカーティアは手加減している。何せ実力だけならばただでさえ勇美が長い事師事し、かつ彼女の恩師である綿月依姫以上のものを持ち、そしてそれが三体も存在しているのだから。
その事を考慮しても勇美の奮闘っぷりは見事なものだったのである。二人で勇美に挑んで来たヘカーティア達を彼女一人で対処してしまうのだから。
そう、勇美の実力はこうしてヘカーティアの稽古により更に飛躍的に上昇していたのだった。
そして、ここで勝負あったようだと、三人目のヘカーティアが言う。
「ここまで!」
そう高らかに言ったのは、赤い髪の『異界』の体のヘカーティアであった。今まで勇美が戦っていたのは、青髪の『地球』と黄髪の『月の』ヘカーティアであったのである。
そう、このようにヘカーティアは一つの存在でありながら、三つの体をそれぞれ巧みに使い、勇美の戦う相手とその判定を下す審判の役割を一人でこなしてしまっていたのだった。
当然そのような、普通の人では一人では物理的に不可能な稽古の方法は勇美にとって、とても刺激的かつ有意義なものとなっていたのである。
確かに、純粋にものを教える技量は依姫の方が上でも、こういう数人分の仕事量をこなしてしまうという芸当はさすがの依姫でも無理という事であったのだ。だから、ヘカーティア『達』の指導は勇美にはこれまでにない充実したものであった。
その事は当の勇美が一番良く分かっていたのだった。勇美は今日の稽古が終わり、一息つきながら言うのであった。
「やっぱり、ヘカーティア様の指導は三人分だから、一味違いますねぇ♪ 何と言うか、手応えが違いますよ」
「そう言ってもらえると、私も嬉しいってものだ
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