暁 〜小説投稿サイト〜
提督はBarにいる。
艦娘と提督とスイーツと・61
[2/3]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
しちゃあ比較的簡単な方だ。一日中生地を作って焼き上げ、クリームを泡立て、デコレーションする……パティシエがガテン系の仕事だってよく言われる由縁だな。

「……これからは間宮さんのスイーツ、もっと感謝して食べよう」

「そうしとけ」

「えぇと、次は……生地が出来たらケーキ型にバターを塗り、それを接着剤代わりにしてクッキングシートをケーキ型に張り付ける、と。はみ出した部分は切り取ってくれ」

「は〜い。次はどうするんです?」

「後は生地を流し込んで、250℃に余熱したオーブンで30分焼き上げる」

「へ?もう終わりですか?」

「だなぁ。後は後片付けして、焼き上がりと待つとするか」





      〜後片付け後〜

「そう言えば、『バスク風チーズケーキ』って呼び方は日本独特らしいぞ?」

「え、そうなんですか!?」

 調べてみた所、スペインとフランスの国境を跨ぐ様にしてバスク地方と呼ばれる地域があり、バスク語と呼ばれる独特の言語を話すバスク人が住んでいる地域らしい。そのバスク地方のスペイン側、サン・セバスティアンという都市にあるラ・ビーニャ(La Vi?a)って店の名物が黒焦げに見えるチーズケーキなんだとか。しかもその店のメニューでは『タルタ・デ・ケソ(スペイン語でチーズケーキを指す)』の名で提供されており、特にバスク風とかは付いてないらしい。

「ほぇ〜、そうなんですか」

「まぁ、その元祖の店がレシピを公開しててな。その辺の酒場なんかでも出してる店はあるみたいだぞ?」

「やっぱり名物なんじゃないですか?それ」

「わざわざ日本人の地域おこしみたいに『〇〇名物!』みたいにオーバーな宣伝してないって事だろ?多分」

 ウチのチーズケーキ美味いだろ?作り方教えてやるよ!みたいなノリな気がする。

「そう言えば、鹿島は何でこんなチーズケーキの事知ってたんだ?」

「あ〜……ホラ、広報活動の一環って事で、期間限定でコンビニでアルバイトしたじゃないですか」

「あ〜、〇ーソンでな」

「ですです、その時陳列棚にバスク風チーズケーキが並んでまして」

「ほうほう」

「気にはなったんですけど、流石に焦げてるチーズケーキに手を伸ばす勇気が出なくて……」

「物は試しに俺に頼んでみよう、と?」

「……はい」

「ま、良いけどよ」

 と、キッチンの方からチーン♪と小気味良いベルの音がした。どうやら焼き上がったらしい。




「うわ、本当に真っ黒だな」

「食べられるんですかね……?」

 オーブンから取り出すと、ケーキ型からはもうもうと煙が上がっている。その表面は、調べた時に見た写真の通りに真っ黒。型から取り出してクッキングシート
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ