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レーヴァティン
第二百話 真の掌握その十

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「政で博打を制御してよかった」
「そうね、本当に」
「ヤクザ者を儲けさせるのも言語道断だしな」
 このこともあってというのだ、英雄はそうした者達から利権を奪うことについても考えているのである。
「だからな」
「それでね」
「幕府が行ってだ」
 鳥羽を開いてというのだ。
「そして寺や神社に場所を使わせてもらう銭を出すが」
「その儲けはね」
「幕府が入れる、そして負けが込んでだ」
「借金を作りそうな奴はね」
「入れない」
 博打をさせないというのだ。
「そうする」
「そうして破滅する奴を防ぐね」
「ヤクザはそこで付け込む」
 身を持ち崩す者にというのだ。
「さらにさせて借金もさせて」
「身ぐるみ剥いでね」
「後はそいつをタコ部屋にでも放り込む」
「そうするわね」
「そして全て自分の懐に入れてだ」
 そうしてというのだ。
「さらに悪事を働く」
「それがヤクザ屋さんだよ」
 桜子ははっきりと言った。
「悪事をして生きるんだよ」
「そうしたものだな」
「ただ賭場やテキ屋やってりゃいいけれど」
「俺はテキ屋には何もしない」
 こちらはいいというのだ。
「好きにやればいい、だが賭場はな」
「そっちはね」
「身を持ち崩す民を少しでも減らす」
「その為にね」
「賭場は幕府が行う」
 またこう言うのだった。
「そうしていく」
「そういうことたいね、しかし」
 香織も言ってきた。
「賭場から追い出してもヤクザ屋さんは残るとよ」
「テキ屋がまさにそれだな」
「そして港に行っても」
 そこでもというのだ。
「あと土木でもたい」
「人足の斡旋でな」
「やっぱりいるとよ」
「それ位ならまだな、やはりそうした連中はどうしてもだ」
「いるたいな」
「それを完全に潰そうと思えば」
 ヤクザ者を国から一人残らず消そうとすればというのだ。
「かえって悪くなる」
「共産主義とか社会主義たい」
「ああした社会になるからな」
「ちょっとああした社会はたい」 
 どうにもとだ、香織も述べた。
「この浮島にはそぐわなかとよ」
「どうしてもな」
「そうたい、それで無理にそうすれば」
「色々と問題が出る」
 ヤクザ者がいるよりもというのだ、どうかという者達を排除してより悪くなってしまうというのである。
「だからだ」
「しないたいな」
「そこまではな。必要悪と言うが」
「それたいな」
「完全に消すことで問題が出るからな」
「そこまではしないたいな」
「賭場から追い出すが」
 それでもとだ、英雄は香織にも話した。
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