第二章
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「子猫達も無事にね」
「乳を与えてもらって」
「そして育つね」
「チャーチがいない間も」
同居人は笑顔で言い飼い主も笑顔だった、そして。
ベティーはチャーチがいない間子猫達に乳を与えその身体で包んで温もりを与えそして色々と教えもした。
そうして無事に母親代わりを務めていたが。
チャーチが戻って来た、この時飼い主は家に戻って来たチャーチを見て同居人に心配する顔で話した。
「チャーチは乳が満足に出ないらしいんだ」
「子宮脱の影響かな」
「そのせいかも知れないけれど」
その可能性を否定せずに述べた。
「実際になんだ」
「乳があまり出ないんだね」
「精々二匹位だよ」
乳がそれ位しか出ないというのだ。
「だから残り三匹は」
「じゃあベティーにこのまま」
同居人はその話を聞いて言った。
「うちにいてもらうか」
「そうしようか」
こう話してだった。
施設に頼んでベティーにもう少しいてもらうことにした、すると。
「ニャア」
「ナア」
チャーチはすぐにベティーと仲良くなってだった。
チャーチは二匹、ベティーは三匹にそれぞれ乳を与える様になった。それも自然にそうしてだった。
二匹も仲良くなった、飼い主はその状況を見てまた同居人に話した。
「お母さんが二人いる」
「そんな感じだね」
「うん、これはこれでいいね」
「そうだね、じゃあね」
同居人は彼に笑顔で提案した。
「ベティーも家族にね」
「迎えてはってだね」
「思ったけれど」
「いいね」
飼い主は同居人に笑顔で応えた。
「それじゃあね」
「そうするね」
「施設に話してみるよ、この子も里親探してるし」
「丁度いいね」
「後で二匹共不妊手術をするけれど」
「それは子猫達が十分に育ってからだね」
「乳を出す必要がなくなってね」
そしてというのだ。
「それからだよ」
「そうするね、それじゃあ」
「ベティーも正式に家族に迎えるよ」
こう言って施設と話をしてだった。
彼女も家族に迎えた、すると。
チャーチとベティーは二匹で仲良く子猫達の親であり続けた、本来は一匹である筈の母が二匹いる。だがそこにあるのは違和感ではなく愛情であった。飼い主も同居人も共に力を合わせて子育てをする二匹を見て笑顔になった。
二匹の母猫 完
２０２１・４・２５
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