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二匹の母猫
第一章

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                二匹の母猫
 アメリカメーン州でのことだ。
 チャーチ、ダークグレーの毛の雌猫の彼女は五匹の子供を産んだ、だがここで彼女に深刻な問題が起こった。
「子宮脱ですか」
「はい、ですから」
 獣医は飼い主のアゼル=クリスチン赤髪をリーゼントにした青い目の長身でサラリーマンをしている彼に話した。
「暫く入院してです」
「手術それに治療がですか」
「必要です」
「それは困ります」
 飼い主は獣医に困った顔で話した。
「この子は子猫を産んだばかりで」
「それで、ですね」
「はい」
 とてもという返事だった。
「子猫達には親が必要なのに」
「それでなのですが」
 獣医は飼い主に話した。
「実は知り合いの施設に保護猫がいまして」
「保護猫?」
「名前はベティーといって子猫達と共に保護されて」
 そうしてというのだ。
「もう子猫達はすぐに里親が見付かって」
「どの子もですか」
「新しい家族を得ましたが」 
 それでもというのだ。
「その子はまだです」
「里親が見付かっていないですか」
「これからです、この前まで子供がいたのでまだ乳が出ます」
「それでは」
「一時その子に来てもらって」
 そうしてというのだ。
「子猫達の面倒を見てもらっては」
「母親代わりにですか」
「どうでしょうか」
「わかりました」
 飼い主は獣医のアドバイスに頷いた、そしてだった。 
 実際にその猫ベティーに来てもらった、ベティーは茶色の毛の雌猫だった。
 チャーチはもう入院した、だが。
 ベティーは残った子猫達のところに行くとだった。
「ニャア」
「ナア」
「ニャン」
「ニャオン」
「ニャ〜〜ン」
「ナァ〜〜」
 チャーチにそっくりの五匹の子猫達はすぐにだった。
 ベティーに懐いた、そしてベティーも。
 彼等の傍について乳を与えた、飼い主はそれを見て同居人のルドルフ=ゴールドマンやはりサラリーマンで銀髪をパーマにしていてグレーの目で中背の彼に話した。
「どうやらね」
「懐いたね」
「子猫達は、そしてベティーも」
 彼女もというのだ。
「子猫達に優しいね」
「凄くね」
「これだったら」
 それならというのだ。
「大丈夫だね」
「これでね」
「これなら」
 まさにというのだ。
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