カラッカラじゃん
[2/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ロッキーのナツを担いで部屋に戻る。
(にしても、何が引っ掛かるって言うんだ?見たところ普通の依頼書だったし・・・)
第三者side
「ずいぶんと乾いてきましたね、この国も」
「あぁ、そうだな」
炎のような形の真っ赤な髪をした男に後ろから声をかけるオレンジ色の長髪の少年。彼らの瞳に移る光景はまさしく異様だった。
木々は枯れ、道は乾いた砂が浮き彫りになっている。しかし、その周りには民家がたくさん建っており、そこでは人々が生活していたことを物語っていた。
いや、していたと言うのはおかしいのかもしれない。なぜなら、その民家の周辺には確かに人影が存在しているのだから。
「そろそろ他の国に移動してもいいのではないですか?」
「そうですね、もうこれ以上ここにいても意味はないのでは?」
オレンジ色の髪の少年の後ろから姿を現したのは緑色のポニーテールをした少女。スレンダーな体をした彼女は荒れ果てた周囲の景色を見渡しながらそう言うが、赤髪の男は首を振る。
「いや、急ぐ必要はねぇ。もう少しここでゆっくりしていこうぜ」
彼のこの言葉に二人は顔を見合わせた。彼の側近としてそのせっかちな性格を理解しているからこそ、この判断を下した彼に驚きを隠せなかったのだ。
「なぜですか?バーン様」
「あの方からのご指示ですか?」
それを聞くと、ゆっくりと男は立ち上がり二人の方に向き直る。その顔を見た二人は目を見開いた。
((笑っている?))
何が彼をそうさせているのかわからないが、確かに彼は笑っているのだ。その笑みはまるで小さな子供が好きなことに夢中に取り組んでいるかのような、悪いことを企んでいるようなものではない、純粋な笑みだ。
「いや、あの方から何も言われていない。俺たちに全部任せるとのことだ」
「でしたら・・・」
反論しようとした女性の口を人差し指で抑える。言葉を封じられた彼女は押し黙ると、バーンは口を開いた。
「せっかく他の世界に来れたんだ。少しくらい遊ばせてもらっても、罰は当たらねぇだろ?」
その言葉を聞いて二人はポカーンとしてしまう。その直後、彼の言葉の意味がわかるに連れて、次第に笑いが込み上げてきてしまう。
自分たちよりも明らかに年上なのに、感性は完全に子供である上司の姿に笑いを堪えずにはいられない。そして、そんな配下たちの様子を見ても気にした素振りも見せず、バーンはその場から歩き去ろうとする。
「あ!!バーン様!!」
「お待ちください!!」
置いていかれそうになり慌てて追いかける二人。彼らが追ってきているのを察知した男はニヤリと笑みを浮かべ、ふざけたようにダッシュし
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ