聖夜の狩り
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ングレイは。
その手の機械___オーパーツ発見機___を握りつぶした。
それを見下ろすキャスターは、すぐさま行動に映っていた。
「消えなさい」
キャスターの手元に、無数の黒い矢が現れる。雪に匹敵する量のそれは、ビースト、ブライ、バングレイを容赦なく付け狙う。
「危ねえ!」
『ドルフィン ゴー ド ド ド ドルフィン』
ビーストは、大急ぎで紫の指輪を、ビーストドライバーの右側のソケットに差し込む。現れた魔法陣が右肩にイルカの装飾を付けさせた。
水生生物であるイルカの魔法。それは、治癒魔法だけではなく、固形物の中の遊泳能力も授けてくれた。
ビーストはアスファルトへ飛び込む。あたかも石灰でできた地面は、液体だったかのように飛沫を上げながらビーストの入水を受け入れた。
その後、天から無数の矢が一帯に降り注ぐ。
「っ!」
「バリっ!」
退避手段を持たないブライとバングレイは、完全に回避する手段はない。それぞれの得物で矢を打ち落とすが、打ち漏らした矢は、確実に体にダメージを与えていった。
地上に戻ったビーストは、それを見て冷や汗をかく。
「ふえ……おっかねえ」
さらに、空中のキャスターの攻撃は続く。
無数の黒い光線が、彼女の腕より放たれる。クリスマスの街を塗りつぶすそれは、綺麗な舗装道路を瞬時にむき出しの地表に塗り替えていく。
「くそがあ! テメエ、空中からとか、俺に狩られる気あんのか!?」
光線を避けながら、バングレイが怒声を飛ばす。
だが、キャスターは彼を見下ろし、冷たく吐き捨てた。
「あるわけがない。外宇宙の者。消えなさい」
「ふざけんなよ? この世は全て、俺に狩られるためにあんだよ! テメエみてえなクソアマが……!」
だが、無情にもバングレイにはキャスターへ対抗する手段はない。
やがてバングレイは「仕方ねえ」と毒づく。
「オラァ! 令呪! 使ってやるよ! 来いよエンジェル! 今すぐ! 大至急! このクソアマをぶちのめして、オーパーツを奪いやがれ!」
すると、バングレイの右手に輝きが宿る。
「令呪だと……!?」
ビーストは驚きの声を浮かべた。
令呪。聖杯戦争における、サーヴァントへの絶対命令権。わずか三回しか使えず、全てを使い果たしてしまえば、サーヴァント及び聖杯との繋がりさえも切れてしまうもの。
そうしている間に、バングレイの手に刻まれた紋様は、その一部の姿を消した。
それはつまり。
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