聖夜の狩り
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抗議する少女の声を無視して、コウスケは彼の後を追いかける。
「おい待て! ソロ!」
クリスマスの大賑わいの中のコウスケの声。だがそれは、ソロにはどうやら届いたようだった。
彼の視線が、一瞬コウスケを捉える。
刹那、足を止めてくれるかとコウスケも思ったが、ソロはペースを落とすことなく歩み続けた。
「お、おい!」
やがて彼は、クリスマスの光あふれる街道より、暗い裏路地へ入っていく。普段人も寄り付かないような狭い通路で、コウスケは叫んだ。
「おい!」
コウスケが叫ぶと、彼は少しだけ振り向いた。
その血と見紛うほどの赤い瞳は、コウスケを捉えると、その足を止めた。
「キサマ……ビーストか」
「そういうお前は、ブライ……だろ?」
息を整えたコウスケは言った。
すると、ブライ___その正体、ソロは静かに顔をこちらに向けた。
「キサマ……どこでその名を?」
「先にこっちの質問に答えてからだ」
コウスケはソロの言葉に言いかぶさった。
「お前、そのブライの……ムーの力、どこで手に入れた? オーパーツのことも、どこで知った? それに……」
それは、コウスケが一番知りたかったことだった。
「お前、一体何者なんだ!?」
「……」
だが、ソロは言葉を返さない。
静かに、ポケットより古代の電子端末を取り出した。
「お前……やる気か!?」
肯定するように、端末より、胸の紋章と同じ紋様が浮かび上がる。
紫色のそれは、彼の四方を包むように数を増やしていく。やがて紫の光とともに、ひと際大きな紋章が出現する。
最後に両手を広げたソロは、宣言したのだ。
「……電波変換……!」
やがて、紫の光はバラバラに霧散する。
真っ白な雪景色に現れた、黒と紫の戦士。
その名も。ブライ。
ブライはそのまま、その紫の右手に光を集めだす。
「お、おいおいおい! この狭いところでその技使うのかよ!」
コウスケが静止するのも聞かず、ブライの拳より紫の光が握りこぶしの形で飛び出す。
それは裏路地を破壊し、建物をも削っていく。
だが、その爆炎の中。コウスケは、自らが手に入れた異能の力をすでに発動させていた。
『L I O N ライオン』
「少しは会話しやがれ!」
ダイスサーベルを持ちながら、魔法使い、ビーストはブラ
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