暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
G編
第77話:種は蒔かれた
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「うわッ!?」
突然後ろから声を掛けられ、奏は飛び上がるほど驚き思わず立ち上がって声の主を見た。
「君、天羽 奏でしょ? 僕君のファンなんだ〜! こうして会えて光栄だよ!」
そこに居たのは自分や颯人に年が近いだろう青年、ソラであった。ソラは子供をあやす様に――或いは相手を煽るように――満面の笑みで顔の高さに上げた両手を軽く振っている。
最初こそ完全に油断していた為驚いた奏ではあったが、少し落ち着いてくると冷静に相手が出来るようになってきた。
たまに居るのだ。有名人である自分に対し、こうして変な距離感で近付いてくる者が。
翼は真面目に応対してしまうが、颯人との事もあり奏はこの手の輩のあしらい方を理解していた。
「はぁ……そいつはどうも。それで? 握手かサインでも欲しいのかい?」
こういう輩には淡白な接し方で十分だ。ヘタに愛想を振り撒くと面倒な事になるが、応対事態を拒絶するとそれこそ面倒な事になりかねない。無視し過ぎず、だが決して近づけ過ぎない絶妙な距離感が望ましかった。
その経験に従って奏は自分を支持してくれるファンを一見大事にしているように、しかしそれでいてプライベートを邪魔されて少し不機嫌に見えなくも無いような感じに接した。決して高嶺の花には見せず、適度な人間臭さを感じさせるのがこの手の輩に対する応対の肝だ。
しかし――――――
「ん〜、いいや。僕そう言うのには興味ないから」
ソラはそう言ってさらに奏に近付いた。今までとは違う反応を見せるソラに、奏は少し後退る。
「それよりもさぁ、ちょっと僕とお話ししようよ。特に君の大事な人……魔法使いの颯人について」
「ッ!? お前――!?」
事もあろうにソラは颯人の名を出すどころか、彼が魔法使いであるとまで言い放った。
言うまでも無いが颯人が魔法使いである事を知っているのは、二課や政府の関係者だけである。
それ以外で彼が魔法使いである事を知っている者など、考え得る限りジェネシスしかいない。
「お前、ジェネシスの魔法使いか!?」
奏はソラから距離を取りながら、ギアペンダントに手を伸ばした。対するソラは、指輪すらせず全くの自然体で構えていた。
まるで戦う素振りを見せないソラに、奏は逆に不気味なものを感じ彼と一定の距離を保った。
「一体何の用だ? 態々1人でアタシの前に出てくるだなんて……」
「今言ったばかりじゃないか、お話したいんだよ。明星 颯人について、君とね」
まるで掴み所のない雲の様に奏の前で右に左にと動き回るソラ。まるで颯人の様な奴だと奏は感じてしまった。だが彼とソラで決定的に違うのは、ソラからは得体の知れない不気味さしか感じないと言う所である。
「何だ? 颯人の弱点
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