第二話 はざかいの時その四
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「家族じゃなくてね」
「インスタ見たら洋服着せてケーキ上げて可愛がっていたけれど」
「だからおもちゃで遊んでいたのよ」
「可愛がっていたんじゃなくて」
「そうだったのよ」
「そうなの」
「どうせその赤ちゃんもね」
生まれた子供もというのだ。
「同じよ」
「おもちゃなの」
「どうせ自分の思い通りにならないか次のおもちゃが手に入ったらね」
「捨てるの」
「虐待するわよ」
そうしてくるというのだ。
「絶対にね」
「まさか」
「いえ、そうするわ」
母の言葉は絶対の響きがあった。
「だからそんな人とは付き合わないことよ」
「お姉ちゃんも生きものを平気で捨てる人は信用するなって言ってたけれど」
「その通りよ、命を平気で捨てるなら」
それならというのだ。
「もうね」
「人も裏切るって言ってたけれど」
「絶対にそうしてくるわ」
間違いなくというのだ。
「自分達の都合が悪くなったら」
「お母さんもその考えね」
「そう、だからね」
それでというのだ。
「そんな人とはね」
「付き合わないことね」
「そうしなさい」
「命は大事なものだから」
「それが人間以外であってもね」
「その命を粗末にするなら」
「そうよ、そんな人はね」
まさにというのだ。
「もうそれこそよ」
「自分の都合で切り捨てるのね」
「躊躇なくね、人を利用して」
そしてというのだ。
「その価値がなくなればね」
「ポイってことね」
「例え自分から友達とか言ってても」
それでもとだ、母は咲にやや怒った顔で話した。
「口だけよ」
「その実はなのね」
「自分の都合が悪くなったらね」
「切り捨てて」
「それでこっちが助けても」
そうしてもというのだ。
「感謝しないわよ」
「そうなの?」
「だってそうした人って自分だけなのよ」
極端な利己主義者だというのだ。
「だから他の命も粗末に出来るのよ」
「自分だけの人だから」
「だから他の人が何かしてもね」
「感謝しなくて」
「もう自分の都合でね」
「切り捨てるのね」
「掌返しで」
母は実際に右手の平をくるりと反転させた、そうして咲に今は手の甲を見せてそのうえで話を続けた。
「裏切ることもね」
「するのだ」
「だから絶対にね」
「信じないことなのね」
「そうよ、だからそうした人が近寄ってきたら」
「信じないことね」
「ええ、外面はよくても」
例えそうであってもというのだ。
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