第二話 はざかいの時その一
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第二話 はざかいの時
咲は卒業式から入学式まで家にいるよりも外にいたかった、だが母は娘に対して少し厳しい口調で言っていた。
「こうした時こそね」
「慎重に、なのね」
「そう、変にはしゃいで」
そうしてというのだ。
「迂闊に道に出て交通事故とかね」
「あるから」
「そう、それでね」
家で娘にさらに話した。
「街に出てね」
「変な人に誘拐されるとか」
「悪いことに誘われてね」
ここでこのことも言うのだった。
「そうなるからよ」
「だからなのね」
「こうしたね、何かが終わって何かがはじまる」
「そうした時こそなのね」
「はざかい期って言うけれど」
この時期こそというのだ。
「慎重にならないとね」
「駄目なのね」
「そうよ、よくこうした時こそ交通事故とかに遭うのよ」
「そういえばもう少しで入学とか言うわね」
「だからね」
それでというのだ。
「出来る限りね」
「こうした時こそなのね」
「出来る限りお家にいて」
「ゲームしたりパソコンしたりだけれど」
「あと漫画とかライトノベル読んだりしてるわね」
「アニメも観てるわ」
「それでいいのよ」
こう娘に言った。
「秋葉原に行くよりもね」
「ううん、秋葉原は結構知ってるけれど」
そこに行けば買いたい漫画やライトノベルそれにゲームが揃っているからだ。それで咲も中学時代はよく行っていた。
「けれど今はなの」
「春休みの間退屈しないだけの漫画あるでしょ」
「小説もゲームもね」
「アニメも観られるわね」
「ええ」
「だったらよ」
退屈しないならというのだ。
「もうね」
「出来るだけ外に出ないで」
「じっとしてて、あと髪型はセットしたし」
今度はそれの話もした。
「メイクの仕方を勉強してもね」
「いいのね」
「ファッションの雑誌を読んでもいいし」
母は娘にこれもよしとした。
「だからね」
「ここはなのね」
「高校生活に備えることよ」
「それが大事なのね」
「そう、お家にいても色々やることあるから」
だからだというのだ。
「そちらを頑張ってね」
「そうすればいいのね」
「そうよ」
こう言うのだった。
「貴女もね」
「そうなのね」
「そしてね」
「そして?」
「愛ちゃんからも聞くことよ」
母は姪については微妙な顔で話した。
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