暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Saga22-D真実への扉〜The last 1 steps〜
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テルミナス。別に憶えなくてもいい。さ、遺言はそれで済んだ?」
――Memento mori――
(待て、殺すな!)
――疾閃雷翔駆――
テルミナスがレイルの顔を踏み潰すために足を上げたから声を荒げる私だけど、体が完全に乗っ取られてるからどうしようもない。最悪の事態になるって顔を背けそうになったけど、テルミナスの足がレイルの顔に到達するより早く雷撃女が超高速移動でレイルを救出してくれた。
――Nemo enim potest omnia scire――
「速い。一種の転移と見ていいかな。でも、それが通用するのは人間クラスだけ」
そう言って笑うテルミナスの手には、雷撃女の着ていたローブが握られてた。テルミナスの視線が雷撃女に向いて、ようやくその素顔を拝めることが出来た。綺麗な金色の長い髪、瞳はなんて形容すればいいのか判らない、見る角度で薄っすら色が変わってる。
(っていうか! テルミナス! 今、レイルを殺そうとしたでしょ! 私の体で人殺しとかやめろ! いや私の体じゃなくても却下!)
(何を言って・・・? あぁ、気付いてない? コレもアレも人間じゃない、魔力で組まれた木偶人形ね。ほら、あれよ。ルシリオンのエインヘリヤルとかいうアレ。あの金髪、見たことがある。眼鏡も間違いなく同類ね。だから殺すじゃなくて壊すが正しい)
(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?)
テルミナスの言葉に頭が混乱する。“エインヘリヤル”って、ルシルの使い魔生成スキルでしょ。いやいや待って。ルシルやアイリは、目の前に居る雷撃女を含めた“T.C.”によって殺害された。その“T.C.”の中にルシルの“エインヘリヤル”が居て、今こうして襲撃してきてるって? そんな馬鹿な・・・。信じられないって思っていると、頭の中に見知らぬ記憶、テルミナスの記憶?が流れ込んできた。
真っ黒な神父服と外套を着て、大きな十字架を携えるルシル。側には雷撃女や、他にも若い男女、子どもも居る。対するのは、見ることが出来ないけどテルミナスなんだろう。そして始まる戦闘。テルミナスは単独で、ルシルは雷撃女たちと一緒に戦った。
(あ、まだ途中なのに・・・)
記憶映像がピタッと止まった。もう少し見ていたかったって気持ちが少なからず生まれたことに困惑。かぶりを振って、外界へと意識を向け直した。するとテルミナスの前には雷撃女とレイルじゃなくてイリス達3人が立ってた。でも様子がおかしい。イリスが魔力刀の切っ先をこっちに向けて、アミタとキリエの2人も短銃の銃口をこちらに向けて、警戒心むき出しで睨んできてた。
(テルミナス! イリス達に何をした!!)
(エインヘリヤルが撤退したから、シャルロッテを殺そう
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