暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Saga22-D真実への扉〜The last 1 steps〜
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なたの母親・・・マリアよ)
(マリア・・・。それが母さんの名前)
(そう。5thテスタメント・マリア・フリストス・ヨハネ・ステファノス)
(え? え? なんて?)
なんかすごいおかしな名前をスラスラと言ってきたテルミナス。テスタメントって言葉、どっかで聞いた気がする。なんだっけ。母さんのことを名前だけでも知ることが出来た興奮で、テスタメントのことをすぐに思い出せない。
(マリアって名前だけを憶えておけば? ほら、早く私を消滅させて。もう疲れた)
(ち、父親は!?)
(・・・いない。言ったでしょ。マリアは、私の魂からあなたを生み出した。マリアは一から人間を造ったのよ。人間嫌いの私に、人間の素晴らしさを実体験してもらうためにわざわざ・・・。ハッ。それなのに干渉能力どころか私の人格を封印したんだから、余計に腹立った)
(そ・・・っか。私、父さんと母さんの愛の結晶ってわけじゃなかったのか)
まぁ赤ん坊の時に孤児院に預けられたって時点で、私は要らない子だって子どもの頃から考えてたから、滅茶苦茶ショックって感じでもなかった。俯く私の頬にテルミナスがそっと手を添えてきた。
(マリアのことが気になるなら、ルシリオンに聞いてみたら。彼も
界律の守護神
(
テスタメント
)
なのだし)
(なに言ってんの? ルシルはもう・・・)
(気付かないふりしてるの? もう察しているんでしょう? ルシリオンは・・・)
(生きている・・・?)
(クスクス。マリアはルシリオンのサポートとしてこの世界に来ている。ひょっとしたら会えるかもね)
私の頬から手を離して、すぅっと離れて行くテルミナスは両手を大きく広げ、私の虚数干渉で消滅されることを待った。
(・・・あのさ、もし良かったらこのまま・・・)
(一緒に生きていこうって? 冗談じゃない。私は消えたいの)
(・・・判った。さようなら、テルミナス)
(ええ。さようなら、アルテルミナス)
そうして私は、虚数干渉によってもう1人の私を、テルミナスの人格を完全に消滅させた。
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