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愛する我が子達と共に
第二章

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「しかしもう」
「この娘は出産は出来ないな」
「これまで機械みたいに産まされて」
「そして今回も危なかった」
「そう思うとな」
「これが最後だ」
「もう出産はしてはいけない」
 こう言ってだった、フェリシティの出産は最後にすることにした。後で不妊手術をすることも決まった。
 だが出産を終えた彼女は。
「出産までに体力を回復させていたし」
「感染症も治っていた」
「そのことがよかったな」
「子猫達も無事だったし」
「本当によかった」
「どの子も無事で」
「何よりだったよ」 
 そのことに誰もが安堵した、そして。
 その彼女を見ると。
「ニャア〜〜」
「ニャア」
「ウニャ〜〜」
 フェリシティはずっと自分が産んだ子供達、雄はフェリックス雌はケイコと名付けられた彼等の傍にずっと一緒にいてだった。
 愛情を惜しみなく注いでいた、スタッフの人達はその彼等を見てまた話した。
「繁殖猫だったけれど」
「親子の愛情はしっかりしてるね」
「ちゃんと育てて」
「本当に片時も離れない」
「子猫達も愛情を持っていて」
「絆は強いね」
「だったら」
 それならというのだ。
「これから里親探すけれど」
「親子離れずになってもらおう」
「里親の人達にはこう話そう」
「そして引き取ってもらおう」
 こう話してだった。 
 里親募集では親子三匹で引き取って育てて欲しいという条件を掲載した、するとそれを受け入れた家族がだった。
 三匹共受け入れてくれた、こうしてフェリシティは子供達と共に幸せな家庭に入ることが出来た。
「これまで辛い目に遭ってきた」
「けれど子供達を頑張って産んで」
「そしてずっと愛情を注いでいる」
「それなら幸せにならないと」
「親子一緒に」
「そうなってもらわないといけないから」
 それでというのだ。
「いい人に貰えて何よりだよ」
「これから幸せになってもらおう」
「子供達と一緒にいてもらおう」
「そうしてもらおう」
 こう言ってだった。
 スタッフの人達はフェリシティが愛する子猫達とずっと一緒にいられることになって心から喜んだ。不幸を乗り越えて幸せになれたからこそ。


愛する我が子達と共に   完


                2021・4・23
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