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ユア・ブラッド・マイン 〜空と結晶と緋色の鎖〜
第9話『合流』
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まず一つ目が《物質界(マテリアル)》。 玲人たちの存在する世界まさにそのもののことをこう呼ぶ。 三つの層の中では最も下に位置し、”形”を作るベースとなっている。
 二つ目は《霊質界(アストラル)》。 物質界の一つ上に存在するとされるこの層は”存在”の世界であると言われている。 この層の最も面白い点は霊質界の変化は物質界にも影響を与えるという点だろう。 存在そのものを歪められているわけだから、形が変わるのは当然か。
 そして最後、一番上に存在するのが今話に出ている《冥質界(カセドラル)》というわけだ。 この層が管理しているのは”情報”だという話だが……詳しいことは分かっていない。
 というのも、冥質界は霊質界と違って物質界とのつながりが希薄な独立した世界らしい。 何らかの研究は行われている様だが、それらはほとんどが一般に公表されていない。

 他にも下位次元による上位次元への干渉不可能性だとか、その一部の例外なんかもあるんだが、その話は割愛する。 教科書でも読んでくれ。
 今はとりあえず、目の前に出てきた問題が弩級のブラックボックスであるということだけ理解してくれたらそれでいい。

「……話がついた。 立石と天野も呼んでくれ」
「マイエンジェルは?」
「どうせ呼んでも起きないだろう。 二人だけでいい」

 どうやら方針が決まったようで、燕に言われて寝室で待機していた2人もリビングに呼び寄せる。
 ここまでの話を聞いていないなりに燕の様子をみてなんとなく状況は察しているのだろう。 先ほどまでの気の抜けた雰囲気はなりを潜め、緊張した空気が流れる。

「まず最初に言っておこう。 今からするのは聖学園でも理事長を含めたごく一部しか知らないような機密事項だ」

 誰かが生唾を飲む音が聞こえる。 あるいは、自分のものだったかもしれない。

「私たちが直面しているこの事態に、冥質界からの来訪者《冥質界情報体(カセドラル・ビーイング)》が関係していると推測される」



 この日のことを後悔する日が来るかもしれない。
 不審な男など放っておいて、合流を優先するべきだったと。
 あるいは、そもそも合宿なんて行うべきじゃなかったと。
 少なくとも言えることは一つ。

 この数日の合宿で俺の、いや、俺たちの運命は後戻り出来ない場所に踏み込んでしまったらしい。

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