最終章:無限の可能性
第291話「永遠の別れじゃない」
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界からの干渉を受けた結果、貴方達の世界はあらゆる平行世界から独立した存在になってしまいました。その結果、時間においても現在以外に存在せず、例えば……」
「私のように、“現在”にあたる時間に干渉した存在でなければ、過去や未来は全て消失してしまう……と言った所でしょうか?」
アリスの言葉にユーリが続け、その返答にアリスは感心したように微笑む。
「ご明察です」
「いえ、グランツ博士の推測から私なりに考えただけです」
元々、祈梨から未来の可能性は全て切り捨てられた事は聞かされていた。
そこから考えれば、アリスの言った事ぐらいならば推察できる。
「平行世界からの独立、か……」
「漠然としか理解出来ないけど、どういう事なの?」
「平行世界については全員大体は分かるだろう?普段は決して交わらない世界だが、互いに影響し合ったりはするんだ」
優輝の言葉に、緋雪達のほとんどは疑問符を顔に浮かべる。
「例えば、ほとんど変わらない平行世界同士は所謂“隣り合っている”状態だ。互いに影響し合うと、その二つの平行世界はほとんど違いがない」
「……そこから独立したって事は、他の平行世界と全く違う道を歩むって事?」
「その通りだ」
緋雪の呟きを優輝は肯定する。
「じゃあ、これからの未来、俺たちの知っている所謂“原作”の流れは……」
「全く辿らない可能性もある」
「そういう事か……。いや、あのジェイル・スカリエッティが味方にいる時点で辿らないのは分かっていたが……」
転生者という介入者がいても、影響は避けられない。
詰まる所、“世界の修正力”がその平行世界からの影響なのだ。
「まぁ、平行世界云々はそこまで気にする必要はないだろう。……問題は、神界の介入に対する影響だろう」
「まだ何かあるの?」
「むしろ、こちらが本題だろう」
そう言って優輝はアリスを見る。
アリスも同じ考えだったのか、優輝の言葉に頷いて言葉を続ける。
「神界の影響によって、貴方達の世界における法則が崩壊しました」
「あっ……!」
「人にあるはずの寿命も消え、死という概念も崩壊。明らかに“世界”としてのシステムが成り立たなくなっています」
そう。その兆候はとっくに表れていた。
現世と幽世の境界の消失に加え、肉体の死が“死”に繋がらないなど。
神界の戦いにおいても、“領域”さえ無事なら決して倒れる事はなくなっていた。
……当然、その分法則も壊れていたのだ。
「どうすれば……」
「世界の法則が回復するまで、我々で代わりを務めるしかありません」
「“性質”はあらゆる世界における事象や概念、法則に通ずるからな。寿命、生死、その他様々な
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