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MUV-LUV/THE THIRD LEADER(旧題:遠田巧の挑戦)
6.104訓練分隊U
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。
石橋は後者の可能性が高いと踏んだ。まだ把握していな場所も多いが、地図を見る限り拠点に適する一番近い場所は、地図の中央付近にある広場である。5kmほど進んだ先にあるその場所は地形上後ろが崖になっており退路はないが、正面には障害物がなく面制圧をしやすい。ただし面制圧をしやすいと言っても退路がないので、数にものを言わせればどうにでもなる。
もし先ほどの敵が斥候なら味方がいないのはおかしい。斥候と言っても敵はこちらを一方的に攻撃できる手段がある。もし相手が三人だったらこちらは小隊全員やられていた可能性がある。そして引いても味方の応援がすぐに駆けつける。
そうせずに敢えて一人で来たということは攪乱作戦の可能性が高い。しかし、一方でこの攪乱作戦には幾らか乗る必要がある。まだ敵の拠点がつかめないうちにチクチクと攻撃されては戦力が減ってしまう。それに攪乱任務を請け負うとすれば先ほどの訓練兵は敵の隊の中では実力に優れているのだろう。そういった存在は残しておくと後々面倒なことになるかもしれない。
石橋は巧の排除を決定した。
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相手に一撃を加えて距離をとる巧。走りながら巧は田上と連絡を取っていた。
「攪乱は成功。でもあまり被害は与えていない。すぐに物陰に隠れやがった。」
「被害を与えるのはそんなに重要じゃないから良い。今の状況は?」
「追われてる。少なくとも三つ以上の小隊が分かれて追跡してる。」
「こっちに来れるか?坂下に誘導してもらえれば援護できるが…」
「…いや、そっちに誘導すると撹乱した意味がないからな。できれば相手にはしばらく迷っていてもらいたい。」
「そうだな…でも切り抜けられるか?」
「設置してある罠を使えば何とか…、できれば救援が少し欲しい。相手の目が届かないところから遠距離で攻撃してくれ。当たらなくてもいいけど、相手が隠れなきゃいけないと思えるぐらいにはしてほしい。」
「分かった、30分でいく。」
通信を切った巧は後ろを確認する。小銃のスコープで見るとやはり三つの部隊に分かれてこちらを囲もうとしているようだ。見えるのは三小隊程度の規模だが、後詰めがいるかもしれない。それに相手の進軍速度は思ったよりも早い。装備が少ないことを差し引いても普通の訓練性などとは明らかにレベルが違う。周囲を警戒しつつ、物影から物影へ素早く移動している。流石に帝国軍の正規兵と言ったところか。
しかし全体の動きは巧の想定通りの動きをしていた。
(たぶん相手は俺を中央の崖の位置まで誘導するつもりだろう…。)
巧の予想通り石橋は誘導しようとしていた。相手からすれば104訓練分隊がどこを拠点にしているかは未だ分からないが、もし巧を追跡して場所を確定できればよし、できなくても今日のうちに一人刈り取れ
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