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MUV-LUV/THE THIRD LEADER(旧題:遠田巧の挑戦)
6.104訓練分隊U
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来るなら単純に面制圧すれば良いけど、絶対にそんなことは起きない。だから俺たちは包囲されにくく、包囲されても退路が確保できる場所をまず陣取るべきだ。後は地理を確認して罠を仕掛けやすいところとか、索敵などをする班も編成するべきだと思う。」
「よし。三班に分けよう。北、中央、南に分かれて地理の確認を。その際に、罠を仕掛けよう。四時間後に集合。陣取る場所を決めて見張りと索敵班を編成する。全員通信機は手放さないように。俺らのアドバンテージは装備だ。最大限活かせよ。」
「「「「了解!」」」」

―――――――――――――――――――――――

四時間後集合した104訓練分隊は北の高台を拠点に選んだ。北の高台に至る道は二つあり、緩やかな斜面と急勾配な斜面であった。急勾配な斜面は走り寄ることができるレベルではなく、這い上がる、またはよじ登ると言った表現が当てはまる崖に近いものだ。敵の進軍は緩やかな斜面から来ると予想できる。万が一崖を上ってきてもその場合は一人で対処できるだろう。残り九人で緩やかな斜面を面制圧すれば問題ない。仮に物量に押されても斜面を下りればいい。殿に数人回さなければならないだろうが、敵に遠距離攻撃の集団が少ないので容易に抑えられる。
「接敵は何時ごろだと思う?」
「まっすぐ進軍してくるなら半日程度かな。でも敵も地理の把握はやるだろうし、包囲するための準備もいるから、もう少し先。夜に奇襲をかけてくるんじゃないか?」
「なるほど。…なあ、こっちから仕掛けられないかな?」
「おいおい、今回の任務は生き残ることだぜ?わざわざ敵の懐に潜り込んで危険を冒す必要はないんじゃないか?」
「分かってる。別に決戦を挑む訳じゃない。でも生き残ることが任務なら時間稼ぎは大切だろ?相手は人間、作戦行動を取ってくる。今も索敵しながらこちらとの間合いを詰めてきているんだろう。だからそれを妨害するんだ。相手の足並みを乱して進軍を遅くする。上手く出来るならミスリードも誘う。」
「言われてみれば確かにそうだな。危険はあるがやる価値はある…。」
「俺が行くよ。」
「待て、一人は危険だぞ。」
「逆だよ田上。俺一人の方が安全だ。こう言っちゃなんだが分隊の中での実力は俺が一番だ。制圧戦や連携が大事な場面では未熟だけど、相手をひっかきまわすなら機動力がものを言う。エレメント組んでいけるならそうしたいけど、田上以外の隊員じゃ逆に危険だ。田上は分隊指揮のためにここに残る必要がある。だから俺が行くんだ。」
巧の意見に田上は反論できない。個人の技量でいえば巧は分隊の中で群を抜いている。下手に隊員と組ませると巧の重荷になる可能性があった。
「…分かった。済まない、無理はするなよ。」
「謝るなよ。言っただろ?適材適所、お前は俺に出来ないことをやってくれ。」
「ああ、わかってる。
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