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SHUFFLE! ~The bonds of eternity~
第一章 〜再会と出会い〜
その八
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みを忘れる。そこにあったのは柳哉の恐ろしく真剣な表情だった。

「あ、あの……」

「稟、いつもこうなのか?」

 ネリネから視線を外すことなく稟に聞く。

「あ、ああ」

 そうか、と頷き口を開く。

「ネリネ、今自分が何をしようとしていたか分かっているのか?」

「……」

 返答が無い。

「稟に危害を加えようとする行為に憤るのは分かる。だがな、今の魔力球は相当の破壊力を持っていた。そんなものをこんな所でぶっ放して、ただで済むと思うのか? 下手を打てば死者が出るぞ」

「で、でも……」

 今までそんなことは無かった、だから今回も大丈夫、と思っているならそれは大間違いだ。あくまでもそれは結果論に過ぎない。

「お、おい柳「お前は黙ってろ」……」

 稟が助け舟を出そうとするがそれを遮る。こればかりは見過ごせない。

「ネリネ、お前はもう少し自分の力を理解しろ。それは容易に人の命を奪える力だ。実際、そこらのチンピラの十人や二十人、あっさり皆殺しにもできる。お前にその意思があるかないかは関係なく。それに……」

 ――お前は人を殺した手で稟に触れることができるのか?――

 柳哉の言葉にはっとなるネリネ。

「わ、私は……」

「理解できたならそれでいい。でこピンの侘びって言うのはなんだが、手本を見せよう」

 え、という表情のネリネに笑いかけ、右手の人差し指をぴんと立てると、そこに野球の硬式球大の魔力球が生まれる。先程のネリネのものとは比較にならないぐらい魔力量は少ない。

「女性陣はスカートを押さえておくことを勧める」

 そう言って柳哉は右手を親衛隊に向けて軽く振ると、魔力球は呆然としている彼らの中央付近に放物線を描きながら飛んで行った。そして彼らの胸の高さ辺りまで落下した所で柳哉が指を鳴らす。と、同時に二十人あまりの親衛隊は全員が吹き飛んだ。

「あの、今のは……?」

「圧縮した空気を魔力でコーティングしただけ。あとは任意で魔力を散らせば圧縮した空気が開放されて強風が吹く。あんな風に呆然としてるところで食らえばそりゃ吹っ飛びもする」

 何でもないように柳哉が言った。女性陣はスカートを、のくだりは風の影響を考えてのことだろう。親衛隊に遮られたため、そよ風程度しか彼女達には感じられなかったが。

「いえ、あの、そうではなくて」

「何で俺が魔法を使えるのかって?」

「はい」

 柳哉の外見はどう見ても人族のそれだ。人族はその魔力の少なさ故に魔法が使えない。極稀に魔法が使用可能なくらいの魔力をもつ者もいるが、それでも純粋な神族や魔族のそれには大きく劣るものだ。

「理由はいたって簡単。俺は神族と人族のハーフだからだ」

 沈黙。そ
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