暁 〜小説投稿サイト〜
SHUFFLE! ~The bonds of eternity~
第一章 〜再会と出会い〜
その八
[4/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
の視線が集まる。

「目立ってますね」

 ネリネの台詞に柳哉が答える。

「見知らない顔が混じってるからだろうよ」

「それだけじゃないと思いますけど」

「もしかして、土見くん二号?」

「自画自賛っていうのはあんまり好きじゃないけどな、お前達には及ばないがそれでも人目を引く容姿をしている自覚はあるぞ?」

「……違ったみたいッス」

「どういう意味だ? シア」

 自覚なしの鈍感男。その名を土見稟。
 そんな会話をするうちに学園が見えてきた。何か余計なものと一緒に。

「土見稟!」

「今日こそは!」

「貴様に!」

「制裁を!」

「下さん!」

「何だあれ」

 バーベナ学園の校門前、二十人ほどの学生達が終結していた。なんか変なマスクを装着して。

「土見くんに嫉妬する親衛隊の面々なのですよ」

 麻弓が答える。

「親衛隊って……シアとネリネのか?」

「楓のもいるけどね。ちなみに非公認」

 バーベナ学園には本人非公認の親衛隊が存在する。その中で最も古い歴史を持ち、なおかつ最大の勢力を誇るのが楓ちゃん親衛隊、“KKK”――正式名称“きっときっと楓ちゃん”――である。そして今年の夏、シアとネリネが転入したことによって新たな親衛隊が発足した。それがシアちゃん親衛傭兵団、“SSS”――正式名称“好き好きシアちゃん”とリンちゃん突撃護衛隊“RRR”――正式名称“らんらんリンちゃん”である。というか、護衛隊が突撃していいのだろうか?

「なるほど。それで稟はその三大組織のブラックリストのトップに挙げられている、って訳か」

「そういうこと」

 そんな会話を交わしていると、この集団のリーダー格らしい男子生徒が言い放った。

「土見稟! 楓ちゃんはおろかシアちゃん、リンちゃんにまでその魔の手を伸ばした報いを今日こそ受けるがいい! 皆の者、行くぞ!」

『楓ちゃんバンザイ!』

『シアちゃんLOVE!』

『リンちゃんハァハァ』

 どうやら混成部隊のようだ。というか明らかにおかしいのが混じっている。呆れる柳哉だが次の瞬間、表情を引き締めた。

「稟様に仇なす者は許しません!」

 ネリネだった。その手にはバスケットボール大の魔力球ができている。どうやら彼女は稟の事に関しては沸点が低いようだ。親衛隊の表情に恐怖が浮かぶが、その時だ。
 シュウウ、という音と共に魔力球が掻き消えた。

「え?」

 ネリネは何が起きたのか、と困惑する。同時に柳哉が自分のすぐ隣に立っていることに気づいた。

「ネリネ」

「え……あ痛っ」

 先程麻弓にも食らわせたでこピンを今度はネリネに使用する。痛みを堪えながら柳哉を見た瞬間、痛
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ