第一章
[2]次話
家族の家に戻って来る栗鼠
アメリカカンザス州でのことだ。
この地に住んでいるアーティスト活動をしてそれで生計を立てているショートヘアの金髪が奇麗なタイラー=グレゴリーは先日までの激しい雷雨で荒れた家の庭の掃除をしていた、その時に。
あるものを拾ってパートナーのブルージット=タチバナ日系人らしく黒い髪と目の彼女にそれを見せた。
それを見てブルージットは言った。
「栗鼠よね」
「栗鼠の赤ん坊だね」
タイラーもこう返した。
「この子は」
「うちの庭にも栗鼠いたのね」
「近くに家があって」
栗鼠のそれがというのだ。
「それで昨日までの大雨でね」
「風も強かったし」
「雷もで」
「大荒れだったから」
「その中で自分の巣から落ちたんだろうね」
「そうだったの」
「それでうちにいたんだよ」
家の庭にというのだ。
「多分ね」
「そうなのね」
「折角拾ったしこのままじゃ死ぬから」
タイラーはさらに言った。
「君は外に出て働くけれど僕は家の中で仕事してるからね」
「だからいつも赤ちゃんの傍にいられるから」
「それでね」
それ故にというのだ。
「僕が面倒を見るよ」
「そうするのね」
「それでちゃんと育ったら」
タイラーはその時のことも話した。
「自然に帰すよ」
「そうするのね」
「その時まで育てるよ」
こう言って実際にだった。
タイラーは仕事をしつつその栗鼠を育てていった、栗鼠の育て方については主にインターネットで調べてだった。
そのすっかり弱っていて死にそうだった栗鼠を育てていった、彼は栗鼠をいつも傍に置いてつきっきりの育児もっと言えば看護をはじめた。横にいる愛犬のマイケル薄茶色の毛の雄のチワワも彼もアニーと名付けられた雌の栗鼠をいつも見守っていた。
「キャンキャン」
「この娘は絶対によくなるよ」
その栗鼠を見つつだ、タイラーはマイケルに話した。
「だから心配は無用だよ」
「キャウン」
マイケルは家族の言葉に頷いてだった。
そうして彼もアニーを見守った、家族全員でアニーを大事に看護し育てていった。アニーは次第に元気になり大きくなり。
焦げ茶色の毛のすらりとした栗鼠に成長した、尻尾は長く毛はふさふさとしていてだった。
好奇心旺盛でいつもあちこちを動き回り跳び回る様になった、タイラーはそのアニーを見てブルージットに言った。
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