第七十話 最後の休日
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ているんだ?」
「なんだ? もしかして考えてなかったのか?」
「考えて無い訳じゃないけど……はあ、『実家が良い相手は見つかったか』って、五月蝿いのよ」
「結婚か……そういえば僕もそろそろ考えないとな」
ワルドがため息を付く。
「相手なら僕が立候補するけど」
「馬鹿言ってんじゃないわよ」
いつもの様にジョルジュとミシェルの口喧嘩が始まる。
4人は笑いあい。卒業までの貴重な時間を分かち合った。
☆ ☆ ☆
十分に休日を楽しんだ四人は魔法学院への帰路についていた。日は西に落ち、もう間もなく夜の闇が訪れようとしていた。
「遅れちゃったわね」
「この分じゃ、夕飯は食べられそうに無いな」
「仕方ないわ、早い所戻りましょう」
カトレア達四人は、足早に学院へと向かった。
もう辺りは暗くなり、学院まで十数分といった所まで来ていて、学院の塔が双月の光で見ることが出来た。
「あれ?」
「人だかりがありますね」
「ひょっとして、カトレア様が遅くなっても帰ってこない事で騒ぎになったのかも」
ミシェルの言葉で、男性陣から焦りの雰囲気がかもし出される。
「まずいな。王太子妃殿下を夜遅くまで連れ回したと、何らかの罰を受けるかもしれない」
「ゲゲ。ありうるかも……」
ワルドのジョルジュは、お互いの顔を見合った。
「どうする?」
「どうするも何も、早く帰って謝ろう」
こうしてカトレア達は慌てて、学院の正門まで行くと、留守番をしていたメイドコンビの二人がカトレア達を見つけると走って寄って来た。
「王太子妃殿下!」
「お探ししてましたよぉ」
「ベティにフランカ、遅くなってごめんなさい」
そう言ってカトレアは頭を下げて謝った。
「それよりも王太子妃殿下、至急お聞かせしたき事がありまして……その」
フランカはカトレアの後ろの三人を見た。どうも人払いがしたいらしい。
「皆は私の友人よ、問題ないわ」
「分かりました。実は先ほど王宮から急使が着まして、国王陛下が御倒れになられたとの事でございます」
「……え!?」
いつも笑顔を絶やさないカトレアが、この時ばかりは表情を強張らせた。
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