第七十話 最後の休日
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お供の為に着いて行こうとすると……
「え!? ちょ! お〜い、置いてかないで〜!」
遊んでいたジョルジュも慌てて追いかけてきた。
フレール以外の使い魔達は水浴びをして遊び、カトレア達は散歩を楽しむ事になった。
「ラグドリアン湖は良い所ですね」
「そうねミシェル。今度マクシミリアンさまと一緒に来たいわ」
「王太子殿下は今どちらに?」
「ごめんなさいミシェル。国家機密だから外に漏らす訳にはいかないの」
「いえ、お気遣い無く、私もトリステイン貴族の端くれです。国家の命令には従いますとも」
「ごめんね」
「いえいえ……あ。ボートがありますよ。一緒にどうですか?」
「いいわね。ワルド卿たちも一緒にいかが?」
「乗ります!」
聞いてもいないのに、ジョルジュが挙手して立候補してきた。
「グラモンには聞いていないだろうに」
ワルドが呆れ顔で現れた。
「二人とも喧嘩しないで一緒に乗りましょう。ミシェルもいいわね?」
「カトレア様がそう仰るなら……」
こうして四人は、遊覧用のボートを借りて湖に出た。
「オールを漕ぐ役目は、僕がいたしましょう」
「いやいや、この僕、ジョルジュ・ど・グラモンにお申し付け下さい」
「おいおい、割りと重労働だぞ? それなりに鍛えている僕ならともかく、君には荷が重いのでは?」
オールを漕ぐ役目は、最初はワルドが立候補したが、ジョルジュがカトレアに良い所を見せたいが為に半ば無理矢理に名乗り出た。
「大丈夫さ、問題ない」
「……そうかい。まあ、頑張れ」
ワルドはアッサリと引き、ジョルジュは左右二本のオールを手で掴むと、ボートを漕ぎ出した。
「ふんっ! ふんっ!」
「ミスタ・グラモン、頑張って」
「ハハハ、お任せ下さい!!」
カトレアの応援で元気百倍のジョルジュだったが、その元気も10分ほどで尽きた。
「ぜぇ〜はぁ〜、ぐぇ〜はぁ〜……ぐふっ、おえっ」
「運動不足だなグラモン。だが、十分な距離を漕いだと思うよ」
息も絶え絶えのジョルジュにワルドは労いの言葉をかけた。
四人を乗せたボートは、湖岸から離れた所まで進んでいた。
「ご苦労様、グラモン」
「ミスタ・グラモン。お茶をどうぞ」
「ありがとうございます。カトレア様」
「さあ、皆もお茶にしましょう」
カトレアは持ってきたバッグから『魔法のポット』を取り出した。魔法のポットとは、マジックアイテムのトリステイン版魔法瓶だ。
「今日はショコラを入れてきました」
「おお、滅多に手に入らないという、あのショコラですか」
「私、飲むの初めてなんですよね」
「先
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