第七十話 最後の休日
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それぞれ不満をぶちまけた。
「そら見ろ、やっぱり臭いじゃないか」
ワルドがグリフォンの手綱を引いてやってきた。
「この香りは、高いお金を払って買った『とっておき』の香水なんだ。それを臭いだなんて酷いじゃないか」
「掛け過ぎなのよ。周りを見てみなさい、ハエが集っているわ」
「えっ!? あああっ!」
ジョルジュが周りを見ると数匹のハエがジョルジュの周りをブンブン飛んでいた。
「あっち行け! しっしっ!」
杖を振ってハエを追い払うジョルジュ。
「カトレア様の前で、そんな臭いを漂わせる訳にはいかないわ」
「ミスタ・グラモン。申し訳ないですけど、その臭いは余りにも……それに、フレールがミスタ・グラモンを見て警戒してます」
上空では、翼を広げれば2メイル程にまで成長した、カトレアの使い魔のサンダーバードのフレールが異臭を嗅ぎ取ったのか、パリパリと紫電をチラつかせながらジョルジュを睨みつけていた。
「ちょちょっ!? ちょっと待ってて下さい!」
身の危険を感じたジョルジュは、慌ててアレキサンドラの飛び乗ると、近くの川に突撃し、アレキサンドラに水を被せて臭いを洗い落とした。
数分後。香水の臭いを洗い落としたジョルジュたちが戻ってきた。
「これなら如何でしょうか?」
「今度は臭わないわね」
「お手数かけてごめんなさいね、ワルド卿、ミスタ・グラモン。フレール、いらっしゃい」
『クェ!』
「いえいえ、それでは参りましょう。ハハハ」
「やれやれ……」
ワルドとジョルジュを交えた四人は遠乗りを再開した。
☆ ☆ ☆
三人は遠乗りを続けていると、目的地のラグドリアン湖に着く頃には太陽が真上辺りまで来ていた。
「あらここは……」
「ラグドリアン湖ですか、良い所ですね」
ハルケギニアでも屈指の名勝と謳われるラグドリアン湖。
トリステインとガリアとの間にあるこの湖は、水の精霊が棲むといわれていた。
「おおっ、これは素晴らしい! 行こうアレキサンドラ!」
アレキサンドラに乗ったジョルジュは、ラグドリアン湖に突撃し水遊びを始めた。
「やれやれ。グリーズ、貴方も遊んできていいわよ」
『グヒッ』
ミシェルがグリーズから降りるとグリーズは湖面まで走り、ジョルジュ主従の水浴びに加わった。
「ミシェルは水浴びに加わらないの?」
「私はあんな子供じゃありません」
「そうね、うふふ……」
カトレアも馬から降りると、湖岸を散歩し始めた。
ミシェルとワルドは、
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