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SHUFFLE! ~The bonds of eternity~
第一章 〜再会と出会い〜
その七
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クラスだよ。男共はどうでもいいけど」

「正直だねえ」

 稟・シア・麻弓の三人がネリネ・柳哉・樹の力を借りて課題を片付けている合間にそんな会話を交わす。ちなみに稟にはネリネ、シアには柳哉、麻弓には樹がサポートについている。この組み合わせに樹はひどく不満をもらしていたが、くじ引きの結果であるためおとなしく従っていた。楓は後ろ髪を引かれながらもプリムラと一緒に昼食の準備中だ。

「新学期からは俺もそこに加わるからな、まあよろしく頼む」

「え? 水守君うちのクラスに入るの?」

「ああ、担任は紅薔薇撫子教諭だろう? 転入手続きの時に聞いた」

「ふむ、それはおかしな話だね。俺様達のクラスにはこの夏、シアちゃんにリンちゃんの二人が転入してきている。この状況でさらに転入生がこのクラスに入るのは不自然というものだね」

「無理を通せば道理が引っ込む。ってことだ」

 どういうことだい? という問いに返す。

「要するに権力という奴さ。この町に帰って来たその日に芙蓉家(ここ)で二世界の王様方と出会ってね、なんか気に入られたらしい」

 麻弓と樹が理解する。どうやらあの王様達は娘達のクラスメイトの間でもよく知られているようだ。

「あはは……」

「えっと……すみません」

「謝ることはないって。おかげで皆と同じクラスになれるわけだから。むしろ感謝してるくらいだ」

 二世界の王女達の顔に笑顔が浮かんだ。


          *     *     *     *     *     *


「終わったー!!」

「終わったッスー!!」

 夕暮れ時、芙蓉家に歓声が響く。

「おめでとうございます、麻弓さん」

「おめでとうございます、シアちゃん」

「やれやれ、俺様への感謝の言葉くらいあってもいいと思うんだけどね。まあ無理か、麻弓だし」

 余計なことを言った樹が麻弓のかかと落としを食らっていた。(きじ)も鳴かずば撃たれまいに。
 稟はというと二人より一足早く課題を終え、ソファーに突っ伏していた。そんな稟をプリムラがちょんちょん、と突っついている。

「皆さん、夕飯はどうしますか?」

 楓が聞く。

「あー、私は今日は家に帰るッス」

「はい、私もです。 せっかくのお誘いですが」

 王女二人が返答する。

「楓ちゃんの手料理ならば喜んでいくらでも! って麻弓なにをすっ……」

「はいはい、えびふらいえびふらい。あ、楓。私達も帰るから」

 こちらも帰るようだ。若干一名、不服なようだが。

「ん、俺も帰るわ。誘ってくれてありがとな」

 芙蓉家の食卓は今夜はいつも通りのようだ。

「それじゃ皆、また新学期に、と言っても明日な
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