暁 〜小説投稿サイト〜
ロックマンX〜Vermilion Warrior〜
Mission:3 セントラルタワー
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「はい。ここまで来られたらもう御存知かもしれませんが、我々レジスタンスの中心人物、アル長官はリベリオンに捕らえられています」
「それで、君はアル長官を助けに?」
「…はい。そう思って総督府へ…行こうとしたのですが………私1人の力では……とても……」
よく見ると、エールの体には無数の傷があり、不自由な体であるにも関わらずに何度も1人でアル長官を救い出そうとリベリオン兵と戦い続けていたのだろう。
エックスとゼロは目の前の青年に感銘を受け、2人の心は決まった。
「俺達もリベリオンを倒すために動いている。まずはレジスタンスのリーダーであるアル長官とやらを助け出して、話を聞いてみるのが良さそうだな…」
「ああ、アル長官を救い出して、総督府を取り戻そう」
ゼロとエックスの言葉にエールは顔を上げた。
「ありがとうゼロ、エックス…!力を貸してくれるというのですね」
次の瞬間、エックスとゼロはエールの行動に目を見開いた。
エールが、自らの胸に取りつけられている青い球体を、無理矢理外したのだ。
「何を…」
「こ、このIDを…」
エールは痛みに顔を歪めながら青白く光る球体をエックスに差し出す。
「これがあれば、総督府への出入りが…可能になります」
彼の言動に躊躇いを覚えながらエックスは近付き、そっと手を伸ばした直後に背後に感じた気配。
振り返れば、エックスとゼロが通ってきた扉が開き、そこにはリベリオンのマークが刻まれたプレオン・チェイサーが数体が現れた。
エックスとゼロが武器を構えようとした瞬間、エールが2人の腕を掴んで背後の扉に向かって投げ飛ばすと、扉の向こうに入ったのを確認し、ロックをかけた。
「エール!何をしている!?早く開けろ!」
ゼロが慌てて扉を叩き、エールにロックを解除するように言うが、エールの叫びが扉の向こうから響いてきた。
「時間がありません…ここは私に任せて、先に!」
「エール!1人でどうする気だ!?」
エールの言葉に嫌な予感を覚えたエックス。
「どうか…どうかアル長官を…お願いします!…ここから先は通さん!!」
「「エール!!」」
エールのエネルギー反応が増大していき、何をする気なのかを悟ったエックスとゼロが同時に叫んだ直後、凄まじい衝撃が扉越しに響いてきた。
「…………」
「エール…」
しばらく立ち尽くしていた2人だったが、表情を引き締めたゼロが先に進もうとする。
「行くぞ、エックス。エールの犠牲を無駄にしないためにもな」
「ああ、必ずアル長官を救い出そう」
自分達を助けてくれたエールの魂に応えるためにエックスとゼロは先に進んだのだった。
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