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SHUFFLE! ~The bonds of eternity~
第一章 〜再会と出会い〜
その六
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られたようです。むしろ関係があるのは稟と楓のほうでして……二人とも紅薔薇教諭のクラスなんでしょう?」

「ああ……つっちーと芙蓉から聞いたのか?」

「いえ。ただ昨日のお二方の様子から見て、こうなるんじゃないかなーと予想はしていました。あとあの二人とは幼馴染です」

 八年も前のことですけど、と付け足す。

「君は変わっているな。どこがどう、というわけではないんだが」

「えーと、褒められてるってことにしときます」

「まあなんにせよ、だ。問題だけは起こさないでくれ。無駄かもしれんが」

「……善処します」

 疲れたように言う撫子。その姿にどこか哀愁が漂っていたのはきっと気のせいだろう、と思いたい。


          *     *     *     *     *     *


「それではまた新学期にな」

「はい、よろしくお願いします」

 諸手続きを終えた後校内を簡単に案内し、教科書を渡したところで今日の用件は終了。柳哉は撫子に挨拶し、帰っていった。次に会うのは新学期だ。

「しかし、ほんとうに不思議な奴だ」

 撫子は一人ごちる。その理由は先程まで交わしていた会話にあった。

「歳に似合わないあの落ち着きぶり……というよりは老成ぶり、か?」

 普段から接している生徒達はみな年下であるため、どこかこちらが手加減して話さなければならないものだが、彼との会話ではそれがほとんど必要なかった。それはつまり彼の精神年齢が実年齢よりもかなり上であることを意味する。事前に知っていた“事情”故のことかとも思ったがそれだけでは根拠としては弱い。

「水守柳哉、か……」

 “あの”土見稟と芙蓉楓の幼馴染。彼の様子を見る限り、八年も離れていたとはいえその仲は良好のようだ。ならばそこまで心配することもないだろう。さらにもう一人、頼りになる幼馴染がいるようだし、どこか危なっかしい稟と楓だが彼らが近くに居れば安心だろう。特に根拠はないがそう思えた。


          *     *     *     *     *     *


「ただいま」

「お帰りなさい」

 帰宅した柳哉は玄関で妹と遭遇した。どうやら夕飯の買い物に行くようだ。

「片付け、終わったのか?」

「はい、だいたいのところは」

「そうか。今夜から“あれ”を再開するぞ。いい場所が見つかった」

「分かりました。時間はいつも通りですか?」

「ああ」

 彼らと彼らの関係者にしか分からない会話を交わした。


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「お墓参りのことなんだけど」

「何か都合でも悪くなったん
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