第二章
[8]前話
チュウィを施設に連れて帰った、そしてスタッフの一人ギリアム＝ルース若いアフリカ系の中背の男性である彼にチュウィを紹介した。
「貴方にお願い出来るかしら」
「はい、今スノーフレークの世話もしていますが」
ギリアムは強い声で答えた。
「やらせてもらいます、そして」
「里親もね」
「見付けましょう」
「そして幸せになってもらいましょう」
「ここに来たなら。チュウィもう大丈夫だよ」
ギリアムは自分の前で震えているチュウィに優しい笑顔で語りかけた。。
「これまでは大変だったけれどこれからは幸せになれるよ」
「キュウ〜〜ン・・・・・・」
今は触れなかった、だが。
ギリアムはいつも彼に優しく接した、そのうえで。
ご飯とミルクをあげて散歩もさせた、その時怪我が治ったスノーフレークも一緒だった。彼等を合わせもして。
いつも優しくした、ブラッシングもしてトイレ等も教えた。笑顔だけを向けて優しい声ばかりかけた。
するとチュウィもスノーフレークもだった。
次第に明るくなっていった、二人共結構な大きさになった時には。
「キャン」
「キャンキャン」
すっかりギリアムに懐き他のスタッフの人達にもそうなっていた、ギリアムはそんな彼を見てチュウイを引き取ってきたスタッフに話した。
「もうです」
「すっかり明るくなったからね」
「この子達は大丈夫ですね」
「そうね、それで里親もね」
「見付かったんですね」
「二匹共ね」
そうなったというのだ。
「これでね」
「それは何よりですね」
「それも同じ人がね」
「この子達の里親になりましたか」
「そうなったわ、だからこの子達はずっと一緒よ」
「それは何よりですね」
「お会いしてじっくりお話をしたけれど」
そのうえでとだ、スタッフはギリアムに話した。
「とてもいいご家族だから」
「チュウィもスノーフレークも幸せになりますね」
「絶対にね」
「それは何よりです。酷い目に遭っても」
「それを乗り越えて幸せになるべきね」
「人も他の生きものも」
「勿論犬もね、じゃあもうすぐね」
ギリアムに明るい笑顔で話した。
「この子達もね」
「幸せになりますね」
「そうなるわ」
こう言った、そしてだった。
施設は二匹の犬を新しい家族に預けた、この時二匹は名残惜しそうだった。だが。
その後施設は家族から定期的に二匹の画像や動画や文章で状況をメールで連絡してもらった、そこにある二匹の姿は幸せそのものだった。
虐待からの幸せ 完
２０２１・４・２１
[8]前話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
[7]小説案内ﾍﾟｰｼﾞ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿ｻｲﾄ〜
利用規約/ﾌﾟﾗｲﾊﾞｼｰﾎﾟﾘｼｰ
利用ﾏﾆｭｱﾙ/ﾍﾙﾌﾟ/ｶﾞｲﾄﾞﾗｲﾝ
お問い合わせ
2024 肥前のﾎﾟﾁ
しおりを解除