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剣と盾
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恥ずかしいトラブル。訳して恥ずブル。
出オチである。
さて、この世界で感動の再開を果たした俺たちは、あの嬉恥ずかし空間から離脱を果たして、比較的人通りの少ない場所の花壇に腰掛ていた。あれから暫く経ったおかげで、互いに違った意味で混乱していた思考が落ち着いてきた所だ。
「あの、お、おにい。」
「待て、この世界でそれは不味いよ。俺の事はシルドと呼ぶように。」
まだ、妹は落ち着いていなかった。いや、落ち着いていても俺の事を現実世界の呼び方で称していただろう。やはりこういった仮想世界の経験が無いのだから仕方がない事だ。そういった所をフォローする為に、俺は今この子の傍にいるのだから。
「あ、はい、えぇと、その、シルドさん、先はありがとうございます。」
「いや、あのな、呼び方は変えなきゃなんないけど、俺に対してはさんは付けなくてもいいし、喋り方までそんな事にならなくてもいいんだよ?」
物凄く丁寧にお礼を言われた。むず痒過ぎて思わず可愛い物を見た時の笑みが浮かんでしまうが、妹の思考はそうでもないらしく、俯いてしまったその表情には少しばかりの影が挿す。
いかん、落ち込んでいる相手。更には真面目な相手が落ち込んでいる場合は、冗談でも戒める様な事を言うべきではなかった。
空気を変えねば。
「なぁにを暗い顔してますか、シリカちゃんは。」
うりうりと、少し乱暴に、その精神的に凹んでいる頭を撫で繰り回す。
「あのな、もっと色んな事を、一杯失敗していいんだぞ?俺だって最初は色々と失敗して、その度に色んな事を覚えてきたんだ。それに、その失敗を教えるのが俺と来たもんだ。遠慮せずに失敗しまくれ。その度に俺が何とかするから。その内に勝手に慣れてくるさ。」
出きるだけ明るく声を掛けてやると、落ち込んでいた顔を上げて遠慮気味に頷いて返してきた。まだ完全復活とまではいかないが、先よりかは精神的にましになったのを確認すると、立ち上がてシリカに手を差し出す。
「じゃあ、早速色々と見て回りますか。街を見て回るだけでも凄く楽しいぞ。」
少し過剰演出気味なフェイスエフェクトは、俺の感情を正確に読み取ってくれているのだろう。今の俺の表情は満面の笑みになっている筈だ、その筈だ。
一瞬呆けた表情になったシリカは、次いでその表情を俺と同じ笑顔に変えて、元気よく「はい。」と答えて手を握ってきた。
始まりの街の商店街。
所狭しと並ぶ商店。色取り取りのテント屋根と、現実世界では見る事も無いであろう品々が並ぶ其処は、既に数多くのプレイヤーでごった返していた。
その中の2人である俺たちは、少し歩いては店に並ぶ品々に目を向けている。その度に営業スマイルを向けて「何をお求めでしょうか?」と声を掛けてくるNPCを無視し
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