第四百五十八話 思わぬ成長その十六
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「気をつけなさいね」
「気をつけるって何を?」
「暗さに決まってるでしょ」
ぼけたアストレアに少し怒った口調で突っ込みを入れた。
「それは」
「あっ、見えにくくなるから」
「そうよ、ライダーの人達も言ってたでしょ」
「夜の戦いはね」
「お昼と同じ場所で戦ってもよ」
それでもというのだ。
「よく見えなくなるから」
「別の場所みたいになるね」
「だからよ」
「この戦いでもなのね」
「気をつけてね」
そうしてというのだ。
「戦っていくわよ」
「うん、わかったわ」
アストレアは確かな声で答えた。
「そう言われたら」
「わかるのが遅いけれどいいわ」
ニンフも確かな声だった。
「じゃあそういうことでね」
「夜もね」
「戦っていくわよ」
「こちらの援護をお願いします」
「我々の前の敵に攻撃して下さい」
鷲尾兄弟が下から言ってきた。
「陸と空から攻めましょう」
「そうしましょう」
「下?わかったわ」
ニンフは暗がりのスマッシュの大群を見て応えた。
「確かにかなりの数ね」
「はい、ですから」
「宜しくお願いします」
「陸からは私達が攻めますので」
「空からお願いします」
「そうさせてもらうわ」
「今攻めるね」
アストレアも言ってきた。
「ただ鷲尾さん達はその場から攻撃してね」
「前に出ない」
「敵の中に入らないことですね」
「そうしてね」
そしてというのだ。
「攻めていきましょう」
「はい、それでは」
「その様にしていきましょう」
鷲尾兄弟も頷いた、そうしてだった。
兄弟とニンフ達は動きを合わせてそのうえでスマッシュ達の大群を攻撃し彼等を倒した、そうして大群に穴を空けたが。
その穴はすぐに埋まった、スマッシュ達がまた出て来たのだ。イカロスはその埋まった穴を見て歯噛みした。
「すぐに出て来るわね」
「倒しても倒してもじゃない」
アストレアも怒って言った。
「本当にね」
「倒しても倒しても出て来るなんて」
「一体何時いなくなるのよ」
「腹が立つわね」
「おい、落ち着け」
二人のところにグリスがジャンプして来て言ってきた。
「言っただろ、焦ったりイライラした時こそな」
「しくじる、そうね」
「そうだったね」
ニンフとアストレアはグリスの言葉にはっとなって応えた。
「訓練で言われていたわね」
「それもいつもね」
「だったら」
「こうした時は」
「落ち着くんだよ」
こう二人に言うのだった。
「いいな」
「そうね、こうした時こそよね」
ニンフはグリスの言葉に次第に落ち着きを取り戻しながら頷いた。
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