散花絢爛
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雷電大剣《サンダーボルトブレイド》!」
三つの剣が、雪景色を光に溶け込ませていく。
やがて、可奈美が視界を取り戻したとき。
「まだ……まだ……!」
生身に戻っていた可奈美と響の前には、体が粒子状に消滅しようとしている結芽がいた。
「まだ、私は終わってない!」
「結芽ちゃん……!」
もう、消滅は間違いない。
バングレイの悪戯によって記憶より呼び戻された死者は、今再びこの世から消滅しようとしている。
だがその刹那、結芽は可奈美の襟首をつかんだ。
「消えたくない……! 消えたくない! 何にもいらないから、私は皆に覚えてほしい……! 私が強いところ、おねーさんは覚えているんだよね!」
「結芽ちゃん! 私は!」
だが、結芽の体は可奈美の返答を待ってくれなかった。
すでに結芽の体は、粉々になって消滅。光となって、雪の中に溶けていった。
「……私が結芽ちゃんを覚えていたからこそ、今こうして記憶から呼び戻されたんだよ」
その答えは、雪だけ。
「私は、絶対に忘れないよ。初めて戦った時も、今回も。結芽ちゃんは、誰よりもすごい刀使だよ」
それ以外、彼女への弔いを見つけられなかった。
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