散花絢爛
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青江を構え、駆け出してきた。
彼女へ、まずは響が前に出た。
「私、立花響! 貴女も、戦うんじゃなくて、一緒に皆を守るために戦おうよ!」
「ええ?」
響の言葉に、結芽は口を尖らせた。
「何で? それじゃあ、おねーさんたちに私のすごいところ見せられないじゃん」
「私達じゃなくて、他の皆を助けて、君のすごいところ見てもらおうよ!」
友奈も響に続く。結芽は頭の後ろで「ええ〜?」と手を組む。
「でもなあ……じゃあさ!」
結芽がイタズラっぽい笑みを浮かべた。
「三人でいいからさ、私を倒してみてよ! そうしたら、言うこと聞いてあげる!」
「「え?」」
響と友奈がきょとんとした。
だが、「うん、それがいいよね!」と一人で納得した結芽は止まらない。
「だからさ、私を楽しませてよ!」
そういって、結芽は走り出す。
可奈美たちの中で、友奈がそれに一番に反応した。
「勇者パンチ!」
桃色の光を纏った拳。
だが、それが結芽に届くことはない。
友奈が結芽の間合いに入ったとき。それは、彼女が結芽の反撃を許した瞬間。
目にもとまらぬ速さで、結芽は友奈の体を切り刻んでいく。
「うぐっ!」
傷だらけで地面を転がる友奈。だが、結芽は続けて、彼女の体を跨いで響へ攻め入る。
「ほらほら、どんどん行くよ!」
「くっ!」
響は結芽の剣をガングニールの腕でガード。その隙に、可奈美も剣を打ち込んだ。
だが、結芽は先読みし、可奈美の背後に回り込む。一拍の間の三回の突き技で、可奈美と響を地面に転がす。
「それ程度じゃあ、私は止められないよ!」
結芽はジャンプで三人から離れる。可奈美、響、友奈はそれぞれ立ち上がりながら次の結芽の動きに身構える。
結芽は「キヒッ」と声を上げ。
「少しだけ。本気出してあげる。びっくりしてくれるよね?」
彼女の雰囲気が変わった。
雪の中にたたずむ彼女の周りを、あたかも蝶が舞う幻覚を、可奈美は感じた。
そして。
「胡蝶迅雷」
その動きは、直線的。だが、可奈美、響、友奈のカウンターは受け付けない。
同じ直線に並んでいた友奈のパンチをかわし、響の蹴りを流し、可奈美の千鳥を切り払う。
すでに、結芽の姿は三人の背後にいた。
「キヒッ」
結芽の笑い声。それに振り向いた可奈美達は、
「うっ!」
「がっ!」
「ぐあっ!」
自らのダメージに気付き、倒れた。
「あれれ? おねーさん達、弱すぎ〜!」
結芽は振り返り、にっかり青江を振りながら言った。
「そんなんじゃ、私を味方にできないよ?」
「ま、まだまだっ!」
友奈が
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