第二章
[8]前話
「今です」
「そうなんですね」
「はい、それでなんですが」
獣医はブーを抱き締めるジャネットに問うた。
「この子は」
「勿論。家族ですから」
「お家にですね」
「連れて帰ります」
こう言って実際にだった。
ジャネットはブーを息子と共に連れて帰った、そうして再び彼との生活家にいる二匹の猫達も含めて再開した。
その彼女のところにある一家が来た、オーストラリアから来たというポーラ一家だった。夫はリチャードといい恰幅がよく妻のアンは眼鏡をかけている。父親の髪の毛と目、母親の口元と顔の輪郭を受け継いだ姉のマーガレットと息子のエルキューもいる。
一家は黒と白のタキシード模様の毛と黄色い目を持つ猫をアダモーウィッチ一家に紹介して話した。
「ニャア〜〜」
「シェルビーといいます、雌でして」
「その娘もですか」
ジャネットの夫であり一家の長であるジェームスが応えた、面長で丸眼鏡に黒髪に青い目の紳士的な外見である。
「十三年間」
「行方がわからないで」
「見付かってですか」
「もう一度家族になれました」
ポーラ一家の主であるリチャードが答えた。
「そうなりました」
「こんなこともあるんですね」
ジャネットはブーを含めた三匹の家の猫達を周りに置きつつ応えた。
「十三年も離れ離れでも」
「そうですね、もう一度家族になれるんですね」
ジャネットにはアンが応えた。
「そんなことが」
「嘘みたいですが」
「ですが嘘ではなく」
「長生きしてくれて」
「また戻ってくれる」
「そうしたこともありますね」
「はい、猫が十三年は結構なもので」
猫の寿命を考えるとだ。
「それだけでもですが」
「それだけの歳月が経ってもですね」
「また一緒になれます」
「そんなこともありますね」
「はい、そう思いますと」
本当にとだ、アンはジャネットに話した。
「猫も長生きするものですね」
「そうですね、ではこれからも」
「猫が長生きる様にしていきましょう」
「そうあるべきですね」
二つの家族はそれぞれこう話した、そしてだった。
家に戻って来た猫達そして他の二匹の猫達も優しく撫でた、すろと彼等は嬉しそうに鳴いて喉を鳴らしたのだった。まるでそうすると答えた様に。
十三年振りに戻って来た猫 完
2021・4・20
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