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ツバサ -DECADE CHRoNiCLE《ディケイドクロニクル》-
第3話:その名はネオライダー
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とくには心配してしまうって!」

「ハァ、勝手にしろ……」

士はやれやれと言った感じで二人から離れると、首にかけていたカメラを構えて、小狼達の姿を撮った。
いきなりの幸運な状況に戸惑う小狼であったが、融通利かせてくれたユウスケと夏海の2人にお礼を告げた。

「あの、ありがとうございます。初めて会うおれ達にそんな事してくれて」

「いいっていいって。こういう機会は絶対ないんだから、さ!」

「そうと決まったら私の家に案内しましょう!」

にかっと笑うユウスケと新しい仲間を見つけて張り切る夏海。
そんな楽し気な様子を黒鋼は呆れた様子で、ファイは変わらず笑顔を向けていた。


―――――


同時刻。某所。
バーを思わせる空間に何人もの人達が屯していた。ある者はカウンター席で酒を嗜み、ある者は設置されたビリヤード台でキューを使いビリヤードボールを突いて遊び、ある者は欠伸をしながら再び惰眠を貪っていた。
どれも共通点は男女問わず黒服を着用している事。

そんな中、扉を開いてバーに二つの影が現れる。
一つは眼鏡をかけた黒髪の男……尚樹、本名は『鬼頭 尚樹(きどう なおき)』。
もう一人は蠍型の銀色の怪人……スコルピオワーム。
尚樹はずかずかとカウンター席に向かうと、マスターと思われる人物に対して乱暴に酒の名前を注文する。

「おい、リキュール寄こせ!」

「おいおい、鬼頭の?随分と荒れてるな」

「ああそうだよ、せっかくの獲物を取り逃がしたんだよ……スコルピオの奴に邪魔しなければな!」

隣で飲んでいた帽子を深くかぶった黒服の男性に絡まれ、イラつきながらスコルピオワームを睨み付ける。
帽子の男性はふと考える仕草をしながら、同じくスコルピオワームを見て手を叩いて思い出す。

「スコルピオ……あぁ、斬刃(きりは)の事か。お前さん、妙なところで感ずるからなぁ」

「……悪かったな。何かと性分なもので」

深いため息をついて、スコルピオワームはその姿を人の姿へと変貌させていく。
周囲の黒服と同じ黒服の姿に、紫がかった髪と紫の瞳が特徴の若い青年になると、斬刃……『紫電斬刃(しでん・きりは)』は、ビリヤード台のゲームの様子を観戦している女性の隣に立つ。
水色の髪と水色の瞳が特徴の女性が斬刃が傍にいる事に気が付くと、黄色い声で話しかけてくる。

「やーんもう、お帰りー斬刃ー!」

「おう、ただいま」

「どうだった?何処も怪我してない?尚樹の奴に変な事されなかった?」

「てっめどういう意味だ風嵐(フウラン)!」

斬刃を過度に心配する風嵐と呼ばれた女性……『水野風嵐(ミズノ・フウラン)』に怒鳴り散らす尚樹。
他の黒服たちはいつもの出来事と捉えているのか、再び飲
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