別世界よりC
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<グランバニア>
時は戻り、ビアンカ・ティミー・マリーまでもが、本に吸い込まれてしまった直後の事…
「ど、どうしよう…マ、マーサ様…私…とんでもない事を…」
国王執務室では、顔面蒼白のリュリュが今にも泣きそうな表情で狼狽えている…
「リュリュの所為じゃないわ!あの鈍くさい勇者様が、勝手に巻き込まれただけよ!しかもマリーってば、自分から飛び込んだでしょう…きっとお母さんも、お父さんに会いたくて飛び込んだに違いないわね………しくじった…私も飛び込めば良かったわ!あっち面白そうなんだもん…」
きっとポピーが居なかったら、リュリュは責任を感じて発狂していただろう…
それはマーサも同様だ…
リュリュにパルプンテを唱えさせたのはマーサだ。
何もビアンカ等が居る前で行わなくても、良かったはずなのに…そこまで頭が回らなかったのだ。
「でも、どうする?」
「どうもこうも、助ける為に全力を尽くすだけです!」
ポピーの質問に、まだ思考が定まっていないマーサが声を震わせて答える…それに無言で頷くリュリュ。
「違うわよお祖母様。私が言ってるのは、グランバニアをどうするか…って事よ」
「……グランバニアを?」
「お祖母様テンパりすぎ(笑)………取り敢えず、オジロン大臣を此処に呼んでから話しましょう!」
マーサもリュリュも、ポピーが言わんとする事が理解出来てない…
そんな二人を無視して、ポピーはオジロンを呼び付ける。
「はぁ…またトラブルですかな?」
暫く経過し、オジロンが執務室へ入る…そして開口一番、現状を言い当てた!
「何よ…まだ何も言ってないでしょ!」
「聞かずとも分かる!ポピーが嬉しそうにしている時は、間違いなくトラブルなのだから!」
「叔父上様、ひっど〜い?!そんな風に私の事見てたのね!」
問題事が多すぎて顰めっ面が治らないオジロンと、状況が楽しすぎて笑いが止まらないポピー…
「………ところで、王妃陛下の姿が見えないのは何故ですかな?…嫌な予感しかしないのだが…」
「ビンゴよオジロン!さっすがー!!」
この時のポピーの笑顔は、世界中の男性を虜に出来るほどの美しさだったと言う…笑顔だけは!
「お母さんもティミーもマリーまでも、あっちの世界に行っちゃった、うふ?」
その場に崩れ落ちるオジロン…
泣きそうなマーサとリュリュ…
一人笑顔のポピーに対し、殺意が芽生える3人。
「な、何故…そんな事に…」
「どうでもいいじゃない、そんな事!それよりこれからよ、これから!どうしましょうかねぇ?」
「どうするって…」
絶望感に打ち拉がれる3人には、ポピーの言いたい事が分からない…
「ちょっとしっかりしてよ!代理で王位に就いていたビアンカ陛下が不在になり、第1王位継承権を持つティミーが不在に、第
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