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ツバサ -DECADE CHRoNiCLE《ディケイドクロニクル》-
第2話:世界のハカイシャ
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「グッ!!わかったよ、くそが!!」

苦虫を噛みしめた様な顔で尚樹は了承をする。
そこへやれやれといった表情でディケイドが割り込んでくる。

「おい、仲間内で揉めている所悪いが、逃がすとでも思ってるのか」

『逃がしてもらわなければ困る……ハァ!!』

スコルピオは剣戟を飛ばし、ディケイドへと襲い掛かる。
その攻撃を避けたディケイドも負けじとライドブッカーをガンモードに変形させ、銃撃を浴びせる。
スコルピオに迫る銃撃……しかし、突如としてその姿は消える。
いやそれだけではない、いつのまにか尚樹なる男の姿もゴーストイマジンの姿も消えている。
驚くディケイドは、先程の突如出現した怪人の『種明かし』に察しがついた。

「なにっ!?今のはまさか……クロックアップか?」

クロックアップ……地球外生命体"ワーム"が有する高速行動能力であり、目に見えないほどの速さで動く事が出来る。
銀色の蠍怪人……言うなれば"スコルピオワーム"は、クロックアップによって目の前に現れており、恐らく尚樹達も引き連れてこの場を戦線離脱したのだと推測される。
現に、他のオルフェノクやファンガイアも尚樹の姿がなくなると同時に、黒鋼達の相手をやめて去って行く。
怪人達がいなくなった今、変身を解いた士は溜息を付く。

「やれやれ、行きつく暇もないな」

「おい士。大丈夫か?怪我は」

「大丈夫だ。見ての通りだ。それよりもユウスケ、他に気にすることはないだろうな」

「えっ…?」

駆け寄ってきたユウスケに対し、士はある方向を指出した。
そこには一人の少年に心配そうに訊ねる少女……小狼とサクラの姿があった。
顔を見合わせた士とユウスケは、とりあえず小狼とサクラの元へ向かった。

「小狼君、大丈夫?」

「はい、大丈夫です。おれは何ともないですよ」

「おーい、そこの君達。大丈夫かー?」

「よく頑張ったな少年少女。怪人達を倒し、助けに入った俺に感謝しろ」

持ち前の人懐っこい笑顔を向けるユウスケと、自分が活躍したといわんばかりに主張する士。
そんな彼らに対し、小狼が頭を下げてこういった。

「ありがとうございます。見知らぬおれ達を助けてくれて」

「お、おう……分かればいい」

「なんだよ士、照れてるのか?この子の素直さに照れてるのか?」

「うっさいなお前は黙ってろ」

小狼の実直な感謝の言葉に返されて、呆気にとられる士。それを茶化すユウスケを額にデコピンを食らわせた。
その隣では夏海が黒鋼とファイへ近づいていき、何者なのか伺っていた。

「あの、つかぬ事お聞きしますがあなた達は一体?何で怪人達に?」

「オレ達、旅の人達でしてー。この国ついていきなりあの人たちに襲われちゃって」

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