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ツバサ -DECADE CHRoNiCLE《ディケイドクロニクル》-
第2話:世界のハカイシャ
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首を傾げつつ、サクラを庇いながら戦況を見ていた。
一方、手下の怪人達が倒されるその様子を見たゴースト…通称『ゴーストイマジン』が怒鳴りながらブチギレる。
『なにやってんだ貴様ら!相手はたかがライダー一人だぞっ!』
「俺は何人だろうが構わないぜ?五人でも十人でもかかってこい」
『ちっ、偉そうにしやがって!』
「何ならお前でもいいぜ?ほら、掛かって来いよ」
両手を広げ挑発をしかけてくるディケイドを見て、地団駄を踏むゴーストイマジン。
その声には苛立ちが募っており、大剣を振り上げて攻撃しようとする。
『そうかよ、そんなに死にたきゃ殺してやる』
「――落ち着け、ゴースト。アイツ、例の報告されていた【アイツ】じゃねえのか?」
『あん?【アイツ】だぁ?』
一歩踏み出そうとしたところで尚樹がゴーストイマジンを制止させ、【アイツ】なる言葉を伝える。
それを聞いてギロリと見やるゴーストイマジンは、ディケイド達を他所に尚樹へと向き直る。
『まさか、コイツが正体だってのか!?』
「少なくともコイツらが放っておけない対象なのは間違いない……潰すんだったら今だ」
『なんだよ分かってるじゃねえか。流石俺の契約者だ』
尚樹の同意の言葉を聞いて上機嫌になるゴーストイマジン。
それをニヤリと口角を上げた尚樹は懐に手を入れあるものを取り出そうとする。
「行くぞ、通りすがりの。全員纏めて消してやる」
(……!?まだ何か仕掛けてくるのか)
「ほう……」
次の手が残されている事に驚く小狼と、どんなものか見てみたいディケイド。
ファイや黒鋼といった一同を含めた周囲の人達が緊張感に包まれる中、尚樹とゴーストは動こうとする……。
だが、突如して聞こえてきた『声』にそれは中断された。
『―――何をしている尚樹。お前の目的は調査のはずだろう』
「チッ、スコルピオ!邪魔するんじゃねえ!!」
「……!あいつ、何処から!!」
突然現れた存在に対して、ユウスケが第一声を上げる。
そこには、両腕のクローと尻尾のような鋭い針がついた辮髪が特徴の銀色の蠍の怪人だった。
『スコルピオ』と呼ばれた蠍の怪人はディケイドと小狼達、双方の一同を一瞥すると再び尚樹とゴーストイマジンへ向けて口を開く。
『様子を来てみれば、このあり様とはな』
『なんだ?文句でもあるのか?』
『今は引け。今は落とされてはたまったものではない』
「チッ!?俺達があんな奴らにやられるとでも!?」
スコルピオの言葉に反発する尚樹とゴースト。
だが、クローの刃と辮髪の針を同時に向けられて二人は黙る。
『驕るなよ。他人の度量を見切れずに【世界の破壊者】と戦えるなど努々思うな』
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