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ツバサ -DECADE CHRoNiCLE《ディケイドクロニクル》-
第1話:二つのデアイ
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再び現れて、二人を睨み付けながら舌打ちを打つ。
彼の傍らから出てきた砂の怪人と共に。

「チッ、ホントにイラつかせやがって…!!」

『おいおい、尚樹ィ?少しは落ち着けよ。面白いことしてるならオレに変われ』

「ふざけんなゴースト!こいつは俺の仕事だ!」

"ゴースト"と呼ばれた黒と緑を基調とした骸骨の怪人は、眼鏡の男――尚樹の制止を他所に大振りの剣を掲げて小狼達へ切っ先を向ける。
下卑た笑い声を上げつつ、二人へ歩んでいき迫りよる。

『お前達、オレを楽しませてくれるか?くれるだろうなぁ!!』

「小狼君!」

「姫…!」

サクラを庇いながら、小狼は目の前の怪人と向き合う。
やがてゴーストが刃を振り上げようとしたその時、その場にバイク音が鳴り響き、一同はある方向へ目を向ける。
そこには、二機のバイクがこの戦場へとたどり着いた。
二機のうちのバイクのハンドルを握っていた青年が、ヘルメットを脱ぎながら言い放った。

「随分と派手な歓迎だな。大昼間から怪人達が闊歩してるとはな」

「士、これの何処が歓迎かよ。初っ端から暴れてるじゃないか」

青年―――士は、怪人達がいる事も気にせず、飄々と涼しい顔で呟き、同行していたもう一人の青年――ユウスケに突っ込まれていた。
しかし、状況をパッと見た三人は『この世界特有の違和感』に気づき、士のバイクに乗っていた女性――夏海がその事について第一声を上げる。

「しかも、あれって確か……ファンガイア?」

「オルフェノクに加えイマジンもいるな。どうなっているんだこの世界」

夏海の疑問に付け加えるように士はゴーストや他の怪人達にも見やって口にした。
三人が今まで旅をしていた世界では、「キバの世界」にいたステンドグラス状の模様を持った吸血鬼の怪人・ファンガイアや、「ファイズの世界」にいた灰色の体色が特徴の蘇った死者・オルフェノクといった、各ライダー世界に対応する怪人はいた。
こうして同じ世界に別のライダーの世界の怪人がいるのはなかなか珍しいとも言える。
だが、今はそれを論議している場合ではないと判断した士はあるものを取り出す。

「まあいい、考えるのは後だ。目の前で襲われてる奴がいるんだ。助けないわけにはいかない」

白いバックルがついた変身ベルト・ディケイドライバーを腰に装着し、本型アイテム・ライドブッカーから一枚のライダーカードを取り出す。
ライダーカードを敵に向けて翳しながら、あの言葉をつぶやく。

「変身」

【KAMEN RIDE…DECADE!】

サイドハンドルを引き、露になったカード挿入口にライダーカードを装填し、サイドハンドルを閉める。
ディケイドライバーから鳴り響いた電子音と共に、士の周囲にいくつものシルエットが出
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