第一章
[2]次話
猫のプレゼントは花
アメリカのシカゴに引っ越してきたロージー＝セブンはこの時玄関前やそれぞれの家の共有スペースでくつろいでいる太ったふさふさの白と濃い茶色の毛の尻尾の長い猫を見た、見れば猫らしく傍若無人だが。
随分と愛嬌がある、それで赤毛を長くしていて青い目の彼女は同じ敷地内に住んでいる若い女性に尋ねた。
「この猫は」
「ここのタウンハウスのある夫婦が飼ってる子よ」
「そうですか」
「雌で名前はウィローっていうの」
性別と名前も話した。
「人懐っこくて愛嬌がある娘だから人気なの」
「確かに可愛いですね」
ロージーもウィローを見て言った。
「何処となく憎めないで」
「そうね、だから貴女も仲良くしてあげてね」
「わかりました」
「あと同じ敷地内にミロって子もいるの」
女性はもう一匹の猫の話もした。
「雄でこの子は黒と白のタキシードみたいな模様なのよ」
「ダンディな感じですね」
「その子も人懐っこくて愛嬌があるから」
それでというのだ。
「会ったら可愛がってあげてね」
「そうさせてもらいます」
ロージーは微笑んで応えた、そうしてだった。
ウィローに会うと笑顔で声をかけてその頭を撫でた、そして。
そのうえでだ、さらにだった。
時々おやつもあげた、そのうちにミロも来たので彼にもそうしているたが。
ある日自宅の玄関のところに一輪の花があった、その花が誰からのものかと考えたが。
若い女性に話すと彼女はロージーに笑って話した。
「ウィローからのプレゼントよ」
「あの娘のですか」
「そう、あの娘可愛がってくれている人にはね」
「お花をプレゼントするんですか」
「そうしてくれるのよ」
「捕まえた獲物ですよね、普通」
猫のプレゼントはとだ、ロージーは話した。
「そうですよね」
「ええ、けれどあの娘はね」
「お花ですか」
「そうよ、あとミロもプレゼントするから」
彼もというのだ。
「楽しみにしていてね」
「そうなんですね」
「ええ、あの子についてもね」
笑顔で話した、そしてだった。
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