アイングラッド編
追想編
黒の剣士 01
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か言い様のないほどの威圧感を出してる彼から関係のない周りのプレイヤー達も気味悪がり、避けていった。
「行こう、レイも」
私の肩をキリトさんが押してもう1人の男性プレイヤー――レイさん――に声をかけ、3人でその場を離れた。
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まず宿にしている《風見鶏亭》の一階のレストランに入った。
「じゃ、まず自己紹介からかな。俺はキリト」
「レイだ」
「あ、……あたしはシリカって言います。さっきは助けてくれてありがとうございました」
「ん、危なかったな。これから気をつけろよ。……でだ、ちょっと訊きたいことがあるんだが」
「は、はい。何でしょう?」
さっきの恐ろしげな雰囲気は何処へやら。レイさんはとても砕けた雰囲気で話しかけてきた。
「さっきの……女のプレイヤー、あいつは何て名前だ?」
「えっと……ロザリアさんですか?さっき助けてもらうまでは同じパーティーだったんですが、喧嘩してしまって、それで……」
「……ん、わかった。ありがとうな、シリカ」
「へ?あ……どういたしまして」
先程とのギャップのせいか、レイさんと話していると、間抜けな答えしか出来ない……。
キリトが持っていたウイスキーを開けてパーティー結成のお祝いをしていると、ふと先程の一件を思い出してぽつりと言ってしまう。
「……何で……あんな意地悪言うのかな……」
それに答えたのはキリトだった。
「君は……MMOは、SAOが……?」
「初めてです」
「そうか。――どんなオンラインゲームでも、キャラクターに身をやつすと人格が変わるプレイヤーは多い。善人になる奴、悪人になる奴……。従来はそれをロールプレイと言ったが、SAOは違うと思う」
一瞬、キリトの目が鋭くなった。
「今はこんな、異常な状況なのにな……。そりゃ、プレイヤー全員が一致協力してクリアを目指すなんて不可能だってことは解ってる。でもな、他人の不幸を喜ぶ奴、アイテムを奪う奴、――殺しまでするやつが多すぎる」
キリトの目に怒り以外の悲しみのような感情が映った。
「俺は、ここで悪事を働く奴らは、現実でも性根の腐った奴らなんだと思ってる。……俺だって人のことを言えた義理じゃないんだ。人助けなんてろくにしたことないしな。仲間を――見殺しに……「キリト」…」
急に割って入った穏やかな声にキリトがハッとした様子で黙った。彼が何か深い懊悩を抱えているのだと、おぼろ
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