天使とラブソングを……?(第15幕)
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言うのも、デール陛下は外国へは勿論、国内ですら人前に出ようとせず、城から出る事すら無いそうだ。
しかも城で催されるパーティー等でも、最初に王様として挨拶をしたら、10分程度会場に居るだけで、直ぐに自室に帰ってしまうそうだ。
マーサ様が言うには『最友好国がグランバニアで、その国の国王の相手をしたくないのでしょう……すっごく厄介だから』との事だ(笑)
納得できてしまうから悲しい。
勿論本当の理由がある。
デール陛下は幼少の頃に巻き起こったラインハット動乱に負い目を感じている……との事だ。
コレはお母さんから聞いたのだが……
ラインハット王国は二王体勢を敷いているが、正式にはデール陛下が正王で、ヘンリー陛下が副王となり、お父さんの治めるグランバニアで例えると、王様と宰相みたいな感じらしい。ちょっとニュアンスが違うかもとは言ってたけど。
その為、正式な王位継承権はデール陛下の血筋になるのだけど、デール陛下は自分が王様で在る事さえ間違ってると思い込んでおり、王位継承権順位を正規(デール陛下視点)に戻す為、結婚は勿論……恋人も作らず浮いた話一つさせない為に他人との接触を極限まで避けてるのだ。
そんな訳で、明日にはデール陛下がご臨席になるほどの聖歌隊として、我がサンタローズ聖歌隊はラインハット内で有名になる。これで100人程度しか人口が居ない小さな村でも、外から客が押し寄せてくる事だろう。正直お父さんの手腕は凄いと思う……
さて……王家の方々(特にデール陛下)をお迎えするにあたり、教会前の花壇の手入れをしてると、大聖堂で音響の確認などをしてたお父さん達が出てきた。“達”と言うのは、お父さんの他に今回の計画の音楽面を大きくサポートしてくれたアイリーンさんと、今回の聖歌隊の正式デビューを見学したいと今日だけお手伝いをしてくれたピエッサさんだ。
私はピエッサさんとお会いするのは初めてなのだが、あの“マリピエ”のピエッサさんと聞いて、思わず深く頭を下げて謝ってしまった……『腹違いとは言え姉妹が多大なるご迷惑をお掛けして申し訳ございません』と……
しかしピエッサさんは『そ、そんな……頭を上げて! わ、私も凄く貴重な体験と知識を得させてもらってるから……』と“迷惑”に関しては否定しないけど、アイツの存在を肯定的に表現してくれた。凄く良い人だと言うことが判る。先日、ウルフさんが『彼女(ピエッサさん)にはこれ以上迷惑を掛けたくない』と言っていた意味が分かる。
そんなお三方が教会から出てきたところで、この村の住人ではないある人物が近付いてきた。
その人物に視線を向けて確認すると、私は思わず顰めっ面になるのを感じた。
何故なら……
「何でお前がここに居んだ、ヒゲメガネ!?」
とプ
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