第六百九話 カレーはそれぞれその十
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「ホッキョクグマの肝臓食べたとか」
「カナダ人が間違えてね」
「そんな話だけが有名だね」
「何故かね」
「ホッキョクグマの肝臓って毒だから」
ここでこう言ったのはシッドだった。
「ビタミンAが多過ぎて」
「刺激が強過ぎてね」
「それで生でも勿論調理をしても駄目で」
そのビタミンAが多過ぎてだ。
「食べられないけれど」
「カナダのある人が知らないで食べてね」
「死にかけたって話だけが広まって」
そしてというのだ。
「連合で定着してるね」
「笑い話として」
「というかそんな話とか未確認動物の話とか」
エイミーも言ってきた。
「カナダで有名なお話は」
「昔からそういうのばかりだね」
「所有している星系は多くて」
「自然は豊かで」
ただし人口は少ない方である。連合の大国の中では最も人口が少ない国とさえ言われている位である。メキシコの十分の一しかいない。
「それでね」
「そうした生きものの話が多くて」
「あとそうしたお話ばかり有名で」
「お料理とかは」
「うん、本当にマイナーだよね」
シッドは困った顔で言った。
「我が国はお料理も」
「赤毛のアンだってだよ」
トムはカナダ文学の代表作を話に出した。
「アメリカ文学って言う人いるよ」
「カナダなのにね」
「作者さんもカナダ人で」
モンゴメリーもである。
「舞台も我が国なのに」
「地球にあった頃のね」
「それでもね」
「アメリカ文学と勘違いする人いるから」
「それ凄く嫌だよね」
「全くだよ」
シッドは心から言った。
「何で赤毛のアンまでそう言われるのか」
「アメリカが隣にあったし」
地球にあった頃はだ、尚今もである。
「それでね」
「余計に地味だよね、カナダって」
「隣にあんな目立つ国あるから」
アメリカはこの時代でも連合随一目立つ国である。
「尚更だね」
「目立たないね」
「カナダが目立つことは」
トムの言葉には嘆きすらあった。
「不可能とかね」
「ジョークで言う人いるね」
「それもカナダ人がね」
自分達で自嘲して言うのだ。
「そう言う位だから」
「カナダはどれだけ目立たないか」
「本当に実感するね」
「これでも結構な大国なのにね」
「同じ立場のオーストラリアは凄く目立ってるのに」
「あの国も自己主張凄いでしょ」
エイミーは何故オーストラリアが目立つかも話した。
「それもかなりね」
「そうだよね」
「カナダと違って」
「我が国は秘境とさえ言われるし」
言うまでもなくマイナーなあまりである。
「あの国も秘境はあるけれど」
「国全体がその扱いじゃないから」
「そうだよね」
「しかも我が国は目立たないから」
やはりそこに答えは行き着いた。
「だ
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